フランスより HAT です。日本でも厳しい雇用環境が続いていますが、欧米は更に辛い状況です。エセックでも就職課に近いものがあり、そこで求人を見ると、新卒採用案内なのに「実務経験3年以上」と書いているものがあります。
「新卒 = 実務経験なし」の想定でいた私は驚きました。フランスではインターンの期間が日本やアメリカよりも長く、最低でも半年以上、長いものだと2年続く場合もあります。「実務経験3年以上」と書いていたのはこういう事情があり、「卒業までに少なくとも2社で経験を積んでこいよ」という企業側のメッセージだった訳です。
現状、フランスでは正社員の仕事はもちろん、インターンでさえ中々見つかりません。こちらの大学院などでは卒業要件として、「半年以上のインターン」を明記しているところさえあり、インターンが見つからなければ仕事どころか卒業できない場合すらあるのです。
現実にインターンが見つからず、卒業できずに失業給付を受けるために役所の前に並ぶ若者も多く、それが社会不安を引き起こしている面があります。フランスは日本以上に労働者が保護されており、整理解雇は大変困難で、一度雇用されると自分から辞めない限り仕事は保障されています。
こうなると企業側は雇用に慎重になり、現在のように経済状況が悪化してくると日本と同じく若者の仕事がないことになります。総合経営でKK先生がおっしゃっていた、「社会全体でのリストラ」が行われていることになります。
新卒採用という形で、職務経験のない大学生に仕事を提供しているという点で、日本はフランスよりまだましと考えられます。フランスでインターンを探す場合、学歴+コネクションが大変重要で、両方持っているものは限られており(レバノン財務大臣の娘とか、パリ副市長の息子等)、この仕組みだと格差が更に強固にならざるを得ませんわな。
日本でも書類審査の段階で学歴は見られていると思うが、コネクションを見るのはそれほどないでしょう(上場企業社長や政治家の子供を除く)。その点では、まだ公平性があるとも言えるので厳しい状況は続きますが、頑張っていきましょう。
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