2011/02/10

キャー、すごーい!


  築地より HAT です。東京に部屋がないため、今日までホテル暮らしをしています。昨年の夏はマンスリーマンションに暮らしてましたが、掃除をしてくれる分ホテルの方が楽です。

  さて、ホテル内にプリンターがないため、昨日三田キャンパスまで行ってきました。PC室は学部生だらけで若干の敵地感を感じましたが、就職活動の話題で盛り上がっていました。

  最近はウェブテストと言われるインターネット上のテストを課す企業が多いらしく、PC 室でもテストを受けている人がいました。前に座っていた男女が相談しながらウェブテストを受けていて、女性が受験者で男性が数学の問題を彼女のために解いているようでした。

  テストが終わるたびに女性は「キャー、すごーい!」と叫び、男性はまんざらでもない表情で照れていた。二人は恋人ではないようで、彼は「テストのために呼ばれた男」のようでした。

  高校生や学部生の時も「試験の前だけもてる奴」というのがいたが、彼もその類なのだろうか。まあ、でも試験前だけでもてるだけもいいよ。こっちは今まで試験前後だろうがもてた記憶ないもんなぁ。

  それどころか今は住所不定無職の状態。あぁ、早く人間になりたい。

  

2011/02/09

メルシー!


  東京より HAT です。昨日、無事帰国しました。寿司、サムゲタン、カットフルーツのパイナップル、しゃぶしゃぶ、正に日本は天国であります。

  フランス最後の食事として、学校近くにある中華料理屋に行きました。そこにフランス人家族もいて、2才くらいの小さな女の子もいました。

  食事をしていると、彼女が私の近くを通って歩いて行ったのですが、持っていたクマの人形を落としました。それを拾って渡してあげると、満面の笑顔で「メルシー!」と言ってくれたのです。

  変な話ですが、この瞬間が一番「フランスに来て良かった」と思えたかもしれません。彼女の笑顔は、「フランスに来てくれて、フランスを好きになってくれてありがとう。日本に帰ってもきっといいことがあるよ」と伝えていてくれるようでした。

  話は変わりますが、半年程前アンケートに協力頂いた方のメールボックスに塩マドレーヌを入れておきました。甘すぎない大人の味をお楽しみ下さい。皆さんにも「メルシー!」。

  

2011/02/06

八甲田山とビジネススクール


  フランスより HAT です。早いもので明日フランスを発つことになりました。後ろ髪を引かれる思いだが、私は行かねばならない。許せ、愛するフランスよ。

  思えばビジネススクールに入る2年前、私は混乱の最中にあった。職場は「人員3分の1削減」をスローガンに掲げ、一緒に働いていた人達が次々にいなくなった。国内出張でも在日代表の承認が必要となり、競合に多くのビジネスを奪われた。

  この状況下、マネジメントは「数字を上げろ」の一本やり。訳のわからない命令、混乱する指揮系統、減り続ける仲間達。気分は正に「八甲田山雪中行軍」の一兵士であった。

  遭難寸前の中、ビジネススクールと言う名のヘリコプターが上空に現れ、一旦社会の荒波から逃れることになった。そのヘリコプターの中には底抜けに明るくて優秀な人達がいて、「色々あるけど世の中そんなに捨てたものじゃないよ」と温かいミルクを差し出してくれるのだった。

  全てに否定的だった自分も良い人達に囲まれて前向きな姿勢を取り戻し、激しくも楽しい生活にのめりこんでいった。グループでの成果を目指す方が自分には向いているということが一番大きな発見だった。

  社会人時代は個人に目標が与えられ、周りがどうなっているかなど殆ど気にする余裕すらなかった。しかしながら、その状況は余り自分向きではなかったようである。

  社会復帰に向けて今後のことを模索する時期に来ているが、チームワークを重んじる職場で働きたいと思う今日この頃である。その方が成果も上がるだろうし、何より楽しいはずだ。 

   

ツンデレW杯

  フランスより HAT です。幾つかの授業でフランス人学生とグループを組んだが、中々愛くるしいメンバー達だった。

  授業が始まった頃は「何だこのよくしゃべる日本人は?」的な扱いを受けていたが、時間が経つにつれ彼らは親切になってきた。フランス人同士が話す時、当初はフランス語を使っていたが、私がいるということで最後の方は全て英語で話していた。自分が日本人と外国人と一緒に話す際、日本人と話す場合でも英語を使うようにしているが、フランス人達もそうしてくれたようである。

  グループワークに限らず、フランス社会は新参者に対して最初は冷たく接する傾向にある。しかしながら、フランスへの理解を示そうとすると徐々に優しくなるようだ。

  これをツンデレ喫茶風に例えると、最初に「何しにフランスに来たのよ?」と冷たくあしらわれるのと同じだろう。しかし、帰り際になると「帰っちゃうの?」と態度を豹変させ、少し照れながら「日本になんて帰らないで、フランスで私と一緒にいてよ」と泣きつくツンデレ嬢に近い印象だ。

  自分が親仏家になったのも、このツンデレ傾向に要因があるように感じる。アメリカはこんな感じではなかったし、限られた海外旅行経験でもフランスみたいなツンデレ国家は余りお目にかからなかった。世界でツンデレW杯を開けば、フランスはダントツで優勝できるだろう。

  画像はフランスでも大人気「ドラゴンボール」の重要キャラであるべジータ。最初は無茶苦茶怖かったが、地球で家庭を持つと優しいお父さんになってしまった。その点からすると、彼は惑星べジータだけでなくツンデレ王国のキングと言えるだろう。

  

2011/02/05

熱湯シャンプー

  
  フランスより HAT です。来週の帰国に備え、ボサボサだった髪を切りにパリまで行ってきました。こちらに来てからお世話になっている美容院では、髪を切る前後に2回シャンプーしてくれます。

  日本にいた時はヘッド・マッサージに通っていたくらいなので、シャンプーしてくれるのは嬉しいのだが、出てくるお湯の熱いこと。今日は頭に湯が当った瞬間、「熱っ!」と日本語で叫んでしまった。

  海外で「熱っ!」と叫んだのは二回目で、一回目は台湾の足裏マッサージで熱湯に足をつけられた時だ。マッサージ氏の台湾人が日本語で、「大丈夫、大丈夫」と言っていたがあれは明らかに熱すぎだ。

  この美容院はフランス人客が殆どで、今日は老夫婦が二人でやって来て、仲良く並んで髪を切ってもらっていた。日本ではあまり見ない光景だ。

  シャンプー時に熱湯が出るということは、フランス人にとってそれが普通ということだろう。一方でこちらのプールに行くと、水温が明らかに低い。ジャグジーもお湯ではなくぬるま湯であるため、冬場は体を温めることが困難でおまけにシャワーの水も冷たいから、外に出ると体が冷え切って泣きそうになる。

  美容院のお湯は熱く、プールの水は冷たいという相反する事実が存在する。フランス人の髪が細くて柔らかいから美容院のお湯が熱く、首から下の肌の体感気温が日本と違うからプールの水が冷たいのか。この謎は解けぬまま、フランスを発つことになりそうである。

  ちなみに、画像は「らんま 1/2」に出てくるキャラの一人であるシャンプー。普段温厚な彼女が、時折見せる怒った表情に魅かれるのは私だけではないだろう。

  

2011/02/04

♪ Just the way you are ♪


  フランスより HAT です。こちらに留学している中国人や台湾人は、日本のドラマに出てくる女優やアイドルについて私より詳しかったりする。「1リットルの涙」というドラマに、沢尻エリカが出ていることは中国人に教えてもらった。

  その中国人に、「鈴木亜美のプロモーション・ビデオ(PV)は最高だから見ろ」と勧められた。彼のお気に入りは1999年に発売された「Our days」である。「you tube」で見たところ確かに素晴らしい。

  1999年は塾でアルバイトをしていた学部生時代だったので、英語を教えていた中学生から「Our days」の CD を借りて聞いていた記憶がある。曲自体もいいのだが、PV はストーリー性があって感動的だ。

  PV の舞台はアメリカの高校であろう。鈴木亜美が留学している設定なのか。バスケットボールにあけくれる男子学生が練習に励むが、最後にライバル校と試合をしてシュートを外し、負けるという内容だ。

  基本的に、鈴木亜美は男子学生を見守る設定になっている(恋人なのかもしれない)。分からないのは最後に男子学生がシュートを外しても、鈴木亜美が終始笑っている点だ。

  しかし PV の最後をよく見ると座り込んでいる男子学生に対して、鈴木亜美が近づいて、「なーに、外してんだよ」という感じで優しく声をかけようとしている。

  スポーツもそうだが、実社会でも勝つ人がいればうまくいかない人もいる。競争にあけくれているとそれを忘れがちになるが、この PV は「戦いに敗れ、疲れ果てた人に手を差し伸べるべき」と言っているかのようだ。

  この曲のサビ部分は、「Just the way you are」、「そのままのあなたでいて」という意味だ。しかしながら、今の鈴木亜美はこの頃とは明らかに変わってしまった。清純でまぶしかった彼女はどこかにいき、この PV で見せていたような笑顔は見る影もない。

  皆さんも色々大変なことはあると思うが、是非そのままでいて下さい。そして成功した暁には、困っている人達に手を差し伸べてあげて下さい。    

  

2011/02/03

YOKOHAMA


  フランスより HAT です。先日、最初で最後になるであろう日本料理屋訪問をしてきました。その店は寮から歩いて15分くらいのところにあった。

  店名は「YOKOHAMA」である。海外の日本料理屋で圧倒的に多い店名は「TOKYO」であろうが、なぜか「OSAKA」や「NAGOYA」は余りない。

  さて、「YOKOHAMA」の店内に入ると結構おしゃれな感じである。俳優のスティーブン・セガールがウェイトレスに「お姉ちゃん!」と呼びかけた時に、窓から銃弾が浴びせられるシーンがぴったりくる内装である(何のこっちゃ)。

  メニューの中から、私は「SAPPORO」というコースを選んだ。店名もコース名も日本の地名だったので、一瞬混乱しそうになった。例えると、日本で「マルセイユ」という名のフランス料理屋に入って、メニューを見ると「パリ」や「リヨン」というコースが並んでいる感じだ。

  「SAPPORO」は刺身、焼き鳥、ご飯、味噌汁、サラダという内容。一緒にいった2人の内、1人は同じ「SAPPORO」、もう一人は寿司中心の「OKINAWA」を選んでいた。

  従業員は中国系のようで、注文はフランス語で受けたが、厨房への指示は明らかに中国語で、「イーグ・オキナワ!リャング・サッポロ!」と怒鳴っていた。「餃子の王将」に来た気分も味わえる非常に稀有な店だ。

  最初に、マッシュルームが入っているインスタント味噌汁とコールスロー(サラダ?)が運ばれてきた。食べ終わると(私は残したが・・・)、続いて刺身が運ばれてきた。

  完全に欧米方式で、一つ食べ終わると次の料理が運ばれてくる形だ。この分だと全部食べ終わった後にご飯だけが運ばれてきそうだったので、刺身の時点でご飯を注文した。

  寿司を食べていた人にもご飯が運ばれてきたのはご愛嬌として、刺身や焼き鳥はまずまずの味だった。パリ近郊の日本料理屋はメニューがほぼ同じ内容らしく、中国系のネットワークで運営ノウハウが共有されているようである。

  海外で中国系の人々が料理店を経営していることが多いが、これはチャイナタウンを中心とした流通網とレストラン運営ノウハウが要因と考えられる。今回訪れた「YOKOHAMA」でも主要メニューがそれなりの味だったのは、ネットワークの賜物であろう。

  会計を終え店を出ようとすると、経営者らしき中国系熟女がカウンターに座って10ユーロ札を百枚ほど手に取り熱心に数えていた。しばらくそれに見とれてしまった自分に気付き、熟女好き指数の上昇をひしひしと感じるのだった。

  こうして愛すべきフランスの夜は更けていったのであります。

  

2011/02/02

帰ってきた荷物


  フランスより HAT です。1週間程前に、「インパール作戦」で紹介した荷物の一つが日本に届くことなく帰ってきました。理由は、「スプレーが入っているから」とのこと。

  前回は寮から郵便局までの上り坂を荷物を持って歩いたが、今度は下り坂だった。マラソンでも下りの方がきついと言われるが、荷物搬送にもそれは言えるようだ。

  部屋に帰って荷物を開封すると、なぜか「エステーランダー」の化粧品セットが含まれていた。税関が調べる際、荷物を開けた時にまぎれこんだのだろう。箱に入った新品の化粧品一式がプレゼントの様に入っていた。

  学部生の時、年末年始の年賀状配達で郵便局で働いていたが、こんなことが起ったら担当者は即処分されただろう。荷物を送るのにかかった費用が約100ユーロだったが、この化粧品一式が同じ値段だったら粋な計らいである(?)。

  とは言え自分にとっては何の意味もない化粧品。もうプレゼンで女装する必要もないので、行く先に困る化粧品達なのでした。