2011/02/03

YOKOHAMA


  フランスより HAT です。先日、最初で最後になるであろう日本料理屋訪問をしてきました。その店は寮から歩いて15分くらいのところにあった。

  店名は「YOKOHAMA」である。海外の日本料理屋で圧倒的に多い店名は「TOKYO」であろうが、なぜか「OSAKA」や「NAGOYA」は余りない。

  さて、「YOKOHAMA」の店内に入ると結構おしゃれな感じである。俳優のスティーブン・セガールがウェイトレスに「お姉ちゃん!」と呼びかけた時に、窓から銃弾が浴びせられるシーンがぴったりくる内装である(何のこっちゃ)。

  メニューの中から、私は「SAPPORO」というコースを選んだ。店名もコース名も日本の地名だったので、一瞬混乱しそうになった。例えると、日本で「マルセイユ」という名のフランス料理屋に入って、メニューを見ると「パリ」や「リヨン」というコースが並んでいる感じだ。

  「SAPPORO」は刺身、焼き鳥、ご飯、味噌汁、サラダという内容。一緒にいった2人の内、1人は同じ「SAPPORO」、もう一人は寿司中心の「OKINAWA」を選んでいた。

  従業員は中国系のようで、注文はフランス語で受けたが、厨房への指示は明らかに中国語で、「イーグ・オキナワ!リャング・サッポロ!」と怒鳴っていた。「餃子の王将」に来た気分も味わえる非常に稀有な店だ。

  最初に、マッシュルームが入っているインスタント味噌汁とコールスロー(サラダ?)が運ばれてきた。食べ終わると(私は残したが・・・)、続いて刺身が運ばれてきた。

  完全に欧米方式で、一つ食べ終わると次の料理が運ばれてくる形だ。この分だと全部食べ終わった後にご飯だけが運ばれてきそうだったので、刺身の時点でご飯を注文した。

  寿司を食べていた人にもご飯が運ばれてきたのはご愛嬌として、刺身や焼き鳥はまずまずの味だった。パリ近郊の日本料理屋はメニューがほぼ同じ内容らしく、中国系のネットワークで運営ノウハウが共有されているようである。

  海外で中国系の人々が料理店を経営していることが多いが、これはチャイナタウンを中心とした流通網とレストラン運営ノウハウが要因と考えられる。今回訪れた「YOKOHAMA」でも主要メニューがそれなりの味だったのは、ネットワークの賜物であろう。

  会計を終え店を出ようとすると、経営者らしき中国系熟女がカウンターに座って10ユーロ札を百枚ほど手に取り熱心に数えていた。しばらくそれに見とれてしまった自分に気付き、熟女好き指数の上昇をひしひしと感じるのだった。

  こうして愛すべきフランスの夜は更けていったのであります。

  

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