2010/12/31

民主主義は万能か?


  イスラエルより HAT です。イスラエルでは3人集まると4つの意見が出ると言われており、自由な議論が活発に行われています。とは言え政治がユダヤ教の影響を受けているのも事実であり、日本でも常に議論となる政教分離の問題はこの国でも存在しているようであります。
  
  ユダヤ人の友人曰く、イスラエルは超民主国家だそうです。一院制で徴兵制があるこの国では、国民全員が常に国防を意識し、「いざテルアビブ」となった場合、一致団結して問題に対処することから、超民主国家と呼んでいるとのこと。
  
  周辺国が絶対王政であったり、独裁社会であることから、イスラエルは民主国家であることが合理的であるということを証明したいのかも。こちらに来て初めて知ったのだが、アラブの幾つかの国(例:サウジアラビア)では、人権という概念がないらしい。
  
  オックス・フォード大学の Paul Collier 教授が書いた、「Wars, Guns, and Votes(写真参照)」という著作を先日ロンドンで購入したが、これはなかなか興味深い。元々「The Bottom Billion」という本の著者でアフリカを研究する経済学者であるが、彼によると最貧国では民主主義が逆に問題を複雑にしているとのこと。
  
  サダム・フセインがいた前と後のイラクを比べて、どちらがイラク国民にとって幸福な社会であったかは色々と議論があるだろうが、Collier 教授が指摘しているのは正に現在のイラクの様な状況である。民主主義が有効なのは、立法、行政、司法がそれぞれ機能している場合であって、そうでない社会においては賄賂、買収、八百長が選挙や裁判で横行するため、貧しい者が更に困窮するとのこと。
  
  この著作とは関係ないが、中国が金融危機の影響を他国ほど受けなかったのは、民主国家では考えられない大規模な財政出動と金融緩和を短期に行ったからであると何人かのアナリストは話しています。日本では1999年に日銀法が改正され、政府が金融政策に介入できない制度が整えられました。しかしながら、1999年は日本がデフレに苦しみ出した時であり、日銀法改正のタイミングとしては「最悪」と指摘する識者もいるくらいである(2001年のゼロ金利解除等の失政があったため)。
  
  民主国家では独立した中央銀行が健全な経済を構築すると信じられているが、短期的に見るとそうとも言えない局面も無きにしもあらずのようである。5年ほど前にある外国人アナリストが、「日本が経済成長したのは戦後50年以上自民党支配が続き、政治的に安定していたからだ」とコメントしていた。
  
  民主主義の象徴とも言える二大政党制が日本でも確立しつつあるが、現在の政治が自民党時代と比べて優れているかどうかは議論の真っただ中。民主主義が万能かどうかは未だに分かりませんな。
  
    

2010/12/30

クレジット・ヒストリー


  イスラエルより HAT です。この世には不思議なものがたくさんありますが、クレジット・カードも不思議と言えば不思議なものです。

  主要クレジットカード会社であるアメックスやマスター・カードは世界有数の高収益企業であり、現金社会であった日本も多くの人がクレジット・カードを持っています。カード会社が儲かる理由はその収益構造にあり、代金の3%が店からカード会社に払われると言われます。私がよく行く寿司屋で10,000円分食べ、それをカードで支払うと寿司屋の大将は300円をカード会社に払う仕組みになります。

  日本の場合、海外旅行に出かける人が多く、100ドル分をカードで支払うと約5円程度の手数料が引かれるので更にカード会社は儲かるわけです。但し、最も収益率が高いのはアメリカ市場。なぜならば、アメリカにはクレジット・ヒストリーという制度があるからです。

  アメリカでカードを使い、先月の支払い分が500ドルとしましょう。その場合、明細にミニマム・ペイメントという項目があって、今月は50ドル払って、残りの450ドルは翌月以降に金利をつけ、支払いを先延ばしにできる仕組みになっています。

  なぜこういう仕組みになっているかというと、アメリカではカード会社に金利を払い、決済を先延ばしにすることで、クレジット・ヒストリーが形成されるからです。クレジット・ヒストリーは社会のあらゆるものと繋がっており、これがないと住宅ローンを借りることができません。

  つまり、借金をした履歴を作ることによって、ローン支払い能力があることをクレジット・ヒストリーによって証明するわけです。しかしながら、この制度はカード・ローン、自動車ローン、住宅ローン全てに繋がっており、今回の金融危機で多くの人がカードを持てなくなり、自動車や住宅を失いました。

  言い換えると、借金に慣れるためにクレジット・ヒストリーは存在しており、資産価値が下落する局面では問題を引き起こしかねない制度とも言えましょう。住宅価格が上がると、更にローンを借りて車を買い、その車に質権を設定して、クレジット・カードの上限枠を引き上げていく手法が2000年代前半に行われていました。誰もこの点を追求しなかったのも、すごく不思議だ。 

  

2010/12/28

格差がなくならない理由


  イスラエルより HAT です。本日はテルアビブから発信しています。ユダヤ国家であるイスラエルにはクリスマスがなく、年末でも店が開いています。また、アメリカで働いていた時の友人に会うためにテルアビブにやってきました。

  ニューヨークのマンハッタンに住む約4分の1がユダヤ人(Jewish)であり、「New York」 をもじって、「Jew York」 と呼ばれている程です。アメリカの医師の中ではユダヤ人の比率が最も多く、メディア、金融の多くもユダヤ人が支配していると言われます。

  ユダヤ人の友人と再会を果たし、2007年にある金融機関が発表した機関投資家向けのレポートの話になりました。そのレポートによると、アメリカの90%の富は10%の富裕層が所有しており、2050年には99%の富を1%の層が持つことになるというものです。

  ここまではよく聞かれる話なのですが、興味深かったのはレポートの最終部分。それによると、アメリカで格差がなくならないのは、貧困層もいつか富裕層になれると信じているからであるというのです。しかしながら、全員が富裕層になるとそれはもはや資本主義ではなく、起りえないはず。アメリカがあれほど共産主義を嫌うのは、もしかしたら共産主義革命が最も起りやすい社会だからではないかという話になりました。

  オバマ大統領がアメリカで国民健康保険を導入しようとしていますが、大手メディアはこれに対してネガティブな報道をしているとユダヤ人の友人は言います。日本でもオバマ大統領の支持率低下はニュースになっていますが、これは多くの広告を提供している米国の医療保険会社がメディアに圧力をかけ、次の選挙でオバマ大統領を当選させないような報道をさせているとのこと(親オバマ報道をするメディアには、「広告を取り下げるぞ」と脅すらしい)。

  彼の話が本当かどうかは分かりませんが、国民健康保険 = 社会主義と考えるアメリカ人は未だに多いのも事実。また、医療保険会社から献金を受けている何人かの国会議員(特に共和党系)は、「国民健康保険 = 社会主義」のシュプレヒコールを集会であげているほどです。

  アメリカで働いていた時も周りにはユダヤ人が多かったのですが、彼らの考えの中で「知識は奪われない」というのに一番共感を覚えた記憶があります。歴史的に迫害を受けた彼らの唯一の望みは教育であり、知識であったことの現れと言えるでしょう。

  第二次大戦時にユダヤ人から受け取った戦費の代わりとして、英米が渡したと言われるイスラエルの地で色々と考えさせられる一幕でありました。

  

2010/12/23

世界一美味しいインスタントラーメン


  フランスより HAT です。こちらに来てから日本食を殆ど口にしていませんが、食文化が豊かなフランスでは気になりません。何よりパンが美味しくて、家の近くのパン屋は日曜だろうが祝日だろうが営業しています。

  2ヵ月程前に出会ったのが、タイ製のトムヤンクンラーメン(写真参照)。日本に居た時は殆どインスタントラーメンを食べなかったのに、これにはベタ惚れ状態です。

  以前アメリカで働いていた時、同僚の中国人とよく中華料理屋に行ってました。そこで食べたスーラータンという辛くて酸味のあるスープが忘れられず、自分で何とか真似しようと思っても出来ずじまいでした。

  ところが、このトムヤンクンラーメンに一手間加えるとあの中華料理屋の味に大変身。まずニンニクを鍋で軽く炒め、そこに水を入れます。煮立ったら、ラーメンとスープの素を加え、マッシュルームと卵を投入。最後にレモン汁とこしょうを加えて完成。

  このラーメン五個入りで約300円。価格面では日本市場でも十分勝負できると思うのだが、後はマーケティングか?どなたか起業される方、この商品売れると思いまっせ。

 

2010/12/21

飛べない鳥


  フランスより HAT です。こちらは100年に一度の寒波が押し寄せており、ひざ下近くまで雪が積もっております。航空、鉄道等の交通機関は大混乱。先週帰省する筈だった学生達が数人寮に残っており、そのせいか外で雪に突っ込む荒くれ者も登場しています。
  
  私も今日はパリに出かけるはずだったのが、電車が止まっていたため動けずじまい。全く動かない電車の姿を見て、飛べない鳥を思い出すのでした。飛べない鳥のことを考えると、スペースシャトル・チャレンジャー号が脳裏に浮かぶのでした。
  
  1984年に打ち上げに失敗したアメリカのスペースシャトル、チャレンジャー号。スペースシャトルには特殊なモーターが使われており、3つの会社が商品を提供していたが、どの会社の商品がチャレンジャー号に使われているかは事故報告がなされた半年後まで誰も知らないはずだった。
  
  しかしながら、チャレンジャー号が打ち上げに失敗した映像が流れた時点で商品提供していた1社の株価が急落、制限いっぱいまで売り込まれたのでした。興味深かったのは、チャレンジャー号に商品提供していなかった2社の株価は殆ど変動なし。米金融界における都市伝説として、証券外務員の研修などでいまだに語り継がれています。
  
  一方で、フランスの鉄道会社は株価を気にする必要はありません。なぜなら、フランスの鉄道会社の殆どは国営であるから。雪が積もりすぎて外に出るのも困難になっており、家にある食料はピーナッツのみ。雪国の人達は辛抱強くなるという話を思い出しながら、ピーナッツをかじるのでした。
  
  そういえば、母親が福井出身なので自分にも雪国の血が半分流れていたなぁ。でも、雪国での生活はもうええわ。
  

2010/12/19

タック生活 プライベート編

いよいよあさって日本に帰ることになってしまいました。ひさしぶりにブログをみたら、なんと投稿数がブースに負けていたので投稿することにしました。
今回はタックのプライベート生活編について書きたいと思います
1住居について
 ブースのような現代的なビルは、ハノーバーには当然ながら存在しません。しかしながら、誰が掃除するのかと思うような豪邸はごろごろとたってます。
 住居は、タックからは提供されません。んでもって一番手っ取り早いのは早めに日本人学生にコンタクトして交換留学で行く人の家を借りることです。しかし、タックから交換留学に行く人はもともと全学年280人中30人いるかいないかで、また車がないと学校にこれないなど条件を絞るとあまりなくなってしまうという厳しい現実があります。私も家探しには大変苦労しました。そもそも日本人留学生とはコンタクトとっていたのですが、家については頼むのが遅れて結局8月中旬にフランス人の交換留学生とホームステイみたいなルームシェアをすることになりました。まあ、その時期まで残っていた物件なのでくせありは想定の範囲内でしたが、家主は想定の範囲外でなかなかありえない経験をしました。結局フォールターム終了後、二年生の友人の好意で家をただでかりることになり、最後はとつぜん豪華な暮らしをすることになり、終わりよければすべてよしといったところでしょうか。
 自分の結論としては、一人暮らしよりも絶対にルームシェアをすることをお勧めします。私の場合、運よく気の合うルームメイトとめぐり合えたこともありますが、日常生活で西欧人のライフスタイルをいろいろ知れることはとても楽しかったです。例えば、フランスパンは毎日買うもので1日以上たったものは古いからまずい。。。とか 私はそれをしらず2日ぐらいたったのを食べていたらそのようにルームメートから言われました。またルームシェアをしていると他の友人がきて、たまり場になり会話をする機会が増えるというメリットもあります。私の家は引っ越してからは、見事にたまり場になり、毎晩誰かが来てご飯して、そのままムービーナイト(ホームシアターセットがあったので)帰るといった日々が続きました。

2 食事について
 食事については残念ながらあまりすばらしい環境とはいえません。そもそもアメリカの野菜など生鮮食品は日本と比べると物が良くない。コープで高いのかっても日本のものより品質では見劣りします。しかし、外食するよりは安いのでなるべく作るようにはしてました。日本食に関しては、コープでそこそこありますが、刺身とかになるとボストンまで行かないと食べることはできません。ちなみに日本人の友達は、日本食レストランで果敢にも寿司をたべてその後死亡してました。
 ここでとてもありがたかったのが、日本人留学生の方々が家に呼んでくれて日本食を食べさせてくれるという機会がたびたびあり、それで結構しのいでいた時期もあります。彼らがボストンまで日本食買出しに行くときは、いつも何か買ってきてくれてとても助かりました。タックの日本人会の中には納豆係というものがあり、納豆はサーチェムという家族もち留学生の寮の担当家庭に常備されています。たぶんこんな係りがあるのはタックだけだと思います。

3 車について
ビザと金銭の都合上、車をもつのはわりと難しいです。なので車をもっていると大変人気者になれます。私の場合は、日本人留学生のヘルプがあり、ウェストレバノンというウオルマートやKマートがあるショッピングが今では彼らに車を良く出してもらってました。また中のいい友人が途中から車をもったため、近郊のアウトレットとかレストランとかにいったりしてました。ハノーバーには余りレストランはありませんが、ちょいと車をだすとそれなりにレストランがあります。
 車がなくてボストンやNYCにどうやっていくかですが、学校が運営しているダートマスコーチというバスがあり、それを利用してました。グレイハウントやボルトバスのほうが圧倒的に安いですが、ハノーバーに来ない。。。のでダートマスコーチを必然的に利用することになります。

4 ジム
 ダートマスにはすばらしいジムがあります。このジムはただで利用できて、マシンもいろいろあるし、クラスもいろいろあるので、タックにいかれた場合はぜひ利用すべきです。週末にジムに行くと、友達が誰かしらいてしゃべったりできてよかったです。

5 日本人留学生
 現在タックには二年生が5人、一年生が7人います。彼らには大変お世話になりました。学校によっては、交換留学生を正規生よりも下に見る態度をとる人がいるようですが、彼らはまったくそういったことはなく常に協力的で大変ありがたかったです。タックの特徴としてチームワークということがいわれますが、彼らはまさにそれを体現しています。他の交換留学生からは大変うらやましがられました。日本人会にも普通の正規生同様コミットして、次回の日本への旅行はなぜかオーガナイザーになってしまい、3月にタック生と日本を旅行することになりました。もっとも、これも決して押し付けられてしているわけではないのでその辺はご安心を
以上長くなってしまいましたのでここで一旦終わりにします

2010/12/16

帰ってきたモエシャン



1万キロの長旅に耐えて割れずに日本に帰ってきたMoet et Chandonの仲間たち


12月14日に香川の自宅に帰ってきました。予定より5日早めました。

既にReims Management schoolでの成績は全て出てます。結局グループワークと言いながら実質一人でやっていたStrategic Human Resource Managementが一番良かったのが皮肉的。他はいたって平均的な結果だった。議論に関してはあまり協調的過ぎても結果は良くならないということが良く分かった。ただ、うるさい奴だと思われても困るし。フランスまで行って嫌われたくないしなぁ(hahaha)。難しいところだ。

でも、IPでフランスに行ったのは自分としては良かった。IPは現地での生活を楽しむこともプログラムの中に含まれているから。

グループワークで困るのは、まったくその分野に長けていない人が主導権をとりたがる場合があること。そういう場合に、おいおいそれはずれてるよという場合がよくある。で、言っても人の言うことを聞かない場合もままあって、それで成績が決まってしまうグループのシステムにはいささか疑問を感じるときがある。(ちょっと愚痴)

グループの決定方法はもう少し民主主義的な方法をとる術がないのだろうか。

IESE@Barcelona【基本情報】

IESE@バルセロナのリンです。





今週最終の授業が終わり、交換留学が正式に終了となりった。


終了直前に初投稿することがちょっと遅いじゃないかと申し訳ない気分だけど、IESEの良さをM33にもお伝えしたいから、基本情報をまとめて紹介する!!



暖かい南ヨーロッパ、文化と芸術が漂うバルセロナ、情熱の溢れるスペイン人、世界一流のビジネススクール、国際性の豊かな学生、少ない予算でヨーロッパの生活が出来る…などなど、IESEを最高にお勧めしたい!!




1.学校


IESEに来る交換留学生は、正規の二年生と同じように、科目履修や、キャリアサービス、設備の利用など、平等な待遇をもらえる。

80%の学生はスペイン以外のインターナショナル学生。南米、北米、ヨーロッパ、アジアから多様な国籍の人が集まっている。





多くの先生は実務経験がとても豊富。コンサルティングや金融機関などのバックグランドを持つ先生が多数いらっしゃる。スペイン人の先生が多いが、英語には問題なし。教え方もとても上手。多くの授業はケーススターディを中心としてグループプロジェクトが多い感じ。



二年生の科目(2010年9月期)(25科目英語授業、5科目スペイン語授業)

Advanced Methods for Operational Excellence

Alternative Investments

Applied International Economics

Changes in Career and Organizations

Competitive Dynamics: The Reise and Fall of Competitive Advantage

Corporate Strategy-Creating Value in Multi-Business Companies

Cross-Culture Management

Entrepreneurial Strategies for Social Impact

Entrepreneurship:Creating & Growing Ventures

International Management, Globalization and Responsibility

Internet Enabling Strategies

Leading Change: From Strategy to Execution

Leading Growth: Strategies and Challenges

Management Control

Managing Business Innovation

Market Research

Marketing of Experiences, Innovative Concepts and Media

Media and Entertainment Industries

Personality and Leadership

Wealth Management

Winning Investing Strategies


IESEの学生の卒業後進路は、コンサルティングとフィナンシャル系が多いと感じる。なので、財務や戦略の授業がとても人気。


IESEの正規生は最低6単位を取らなければならなく、交換留学生も同じように要求されていた。ただ慶応の基準によって最低が4科目なので、学校側と交渉した結果、スペイン語の言語授業も含めて5科目5単位を取っていた。そのうちの一科目をお薦めしたい。


DISER (Management of Service Sector)

サービス業(銀行、保険、病院、ガス会社のアフターサービス、カー.レンタル会社などのオペレーションを中心として、コンサルティングの立場から総合的な戦略を提案する授業。コンサルティングでよく使われているテクニックのスキルを学び、ケースに応用する練習が行われる。ヨーロッパやスペインのサービス企業のケースが多い。
評価方法:グループレポート(5回)、グループ・プレゼン、出席、発言
個人意見:先生が最高に面白く、教えるのもとても上手。実務的なスキルも学べるのがとても良い点。またグループワークが多いので、グループメンバーと仲良くなれる!



他にIESEの学生のお勧めの授業
Finance系:Alternative Investment, Wealth Management。先生が厳しいが、教え方がとても上手なので、IESEの学生に絶賛されているらしい。
Entrepreneurship系: Entrepreneurship: Creating & Growing Ventures 毎回ベンチャー企業のCEOと話し合いながら授業を進められるらしい。


クラブ:
スポーツ系や文化系、就職系など多様なクラブが設けられている。また、IESEの学生がお互いに深く広く知るために社交活動をとても重視している。BOW(Bar of the Week)毎週木曜とLOW(Lounge of the Week)毎週火曜は、市内のバーで一年生、二年生、交換留学生などが集まり、飲むことである。また、他に学生主催の食事会も沢山ある。IESE正規生と交流する機会がとても多い。


2.生活
予算:(月ベース)(ユーロ)
交通費:30~50
家賃:350~550(アパート.シェア)
食事:400~750
毎月最低の予算トータル:780~1350ユーロ


食事:
スペイン人の食事の時間がかなり遅い。昼食は午後2時から、夕食は午後9時から。現地のレストランはランチ午後一時から営業、ディナー8時から営業。ランチは10~15ユーロ、ディナーは20~25ユーロ。自炊するのがずっと安い。

買い物:
スーパーなどは多数あり、買い物にまったく問題なし。ZARAやH&Mなどの洋服屋さんも沢山ある。ただ日曜日には小売業が休み!


アパート:
学校から寮の提供がないので、すべて自分で探さなければならない。最も良い方法はIESEの海外に行く交換留学生に早めにコンタクトして、彼らが住んでいるアパートを譲ってもらうこと。アパートシェアーの物件が多い。

交通:
バルセロナ市内にメトロが充実されている。学校が小山のほうにあるので、市内の一番近いメトロ駅からバスで10分ほど。多くの交換留学生が住んでいる市内のところから学校に行くまでに電車+バスで40分ほど。


IESEにいてもっと詳しく知りたい人、お気軽にご連絡ください。
林易潔(リンイチェ)ma093133@yahoo.co.jp

2010/12/15

結果は戦う前から決まっている


  フランスより HAT です。何度か登場しているブランド・マネジメントの最後の授業があり、ラルフ・ローレンのマーケティング・ヘッドがやってきました。彼女の前で、実際に学生がラルフ・ローレンのマーケティング戦略を提案するという血沸き肉躍るプロジェクトでありました。
  
  今回のグループは、メキシコ人、チリ人、ドイツ人、シンガポール人、日本人という内訳。9グループがプレゼンを行う予定であったため、最後の方は時間がなくなることが予想されたため、私は最初にプレゼンすることを提案しました。 
  
  しかしながら、当日授業が始まってもドイツ人、シンガポール人が来ない。10分後に現れたものの、ドイツ人から携帯にメールが入り、「プレゼンを一部修正しており(今頃?)、後の方で発表したい」とのこと。この時点で、「負けた」と思いました。
  
  結果として5番目に発表することになり、十分な議論の時間もなく終了。悲惨なのは最後のグループで、授業終了時刻になったため、プレゼンの途中で強制終了させられる形に。KBS 時代にプレゼンに「これでもか!」という準備時間をかけていたのは、大変意味があったことだと再認識させられる瞬間でありました。
 
  さて、私はラルフ・ローレンのデパート戦略提案を担当しました。パリにあるデパートに赴き、実際に顧客数を数え、年齢層を見て、統計を含めた発表を行いました。もう一人の日本人も、デパートに行って実際の顧客状況を確認していました。
  
  ただ、他のグループは現場で詳しい調査を行った形跡はなく、ウェブ上の情報を集めて、「こうすべきだと思います」でプレゼン終了。KBS の教育の特徴を垣間見た瞬間でありました。
  
  驚いたのは、ラルフ・ローレンのマーケティング・ヘッドも実際にデパートに行ったことは殆どない様子で、それをせずに会議室で議論する風景を思い浮かべながら違和感を感じたのであります。KBS の委員長が「現場だ!」を口癖にされていたのを懐かしく思いながら、MBA 教育とは何かを考えさせられた時間でありました。 
  
  一番プレゼンがうまいと感じたのは、カナダ人の留学生。彼とは他でも同じ授業があったが、飛びぬけて優秀な印象。どこの学校でも一人はこういう人がいるのだなあ、と努力では越えられない高い壁を感じたのであります。  

  

2010/12/14

Housing

ども。Hide@Chicago Boothです。

今日はペリト・モレノ氷河のトレッキングに参加してきました。ありゃヤバいです、反則。
さて、今さら感満載ですが、今回は住居について。

その前に、Chicago Boothの大きな特徴というかアドバンテージとして、(以前の投稿でも触れましたが)Harper Center(Chicago SouthエリアのHyde Park、いわゆるシカゴ大学のキャンパス内の一角にあるFull-time生のメインキャンパス)とGleacher Center(Chicago Downtownのど真ん中にあるEvening/Weekend生のメインキャンパス)という二つの環境が利用可能という点があげられます。優先度はあれど、両ロケーションの授業が履修可能であり、またグループワーク等についても両ロケーションのスタディールーム(もちろんPCルームや自習室も)が利用可能です。
ということで、どちらのキャンパスの近くに住むかという選択に迫られるわけですが、近年は学生の70%以上が、あらゆる面で生活環境の充実したDowntownに住んでいるそうです。1年生のときHyde Parkを選んだ学生もたいてい2年になったときにはDowntownに引っ越してきます。ただ、学生寮、学校所有のアパートやなんかは、Hyde Park周辺にあるわけで、交換留学生がDowntownに住もうと思うと、自分でアパートを探して契約する必要が出てくるということになります…。(KBSが夜間、週末三田で開催されて、フルタイム生も三田で受けることができて、でも寮は日吉にしかないので、留学生は東京に住みたいなら自分で三田周辺に部屋を探さなきゃいけないイメージ。でもHyde park&Chi-Townと、日吉&三田ではGapの大きさが比になりませんが…。)

今学期Chicago BoothからKBSに来ていたMさんからも、“Hyde Parkには何もないから、絶対にDowntownに住むべきだ”と言われていた自分は、もともと何かと食や文化を求めて出歩く方なので、Downtownに住むことを決めるのに時間はかからなかったのですが、やはり寮以外で住居を探すのはけっこう大変でした。
というのも、一般的なアパートの最低契約期間は6ヶ月。一般的な交換留学の期間である3ヶ月間だけを現地で過ごすとなると、残りの3ヶ月間を誰かに貸す(Sub-letといいます、いわゆる又貸し)なりして元を取る必要が出てきます。しかし、帰った後にモニタリングする手段も限られますし、いわゆるTransacton costが異様に高いので、この選択は止める方が懸命だと判断。
次にできることは、3ヶ月間だけ貸してくれるオーナーを自分で探すということになります。米国では、このSub-letという制度が一般的にまかり通っている(もちろん元のオーナーとの契約条項にて許可されている場合に限る)ので、Sub-let物件の情報が、皆さんご存知のCraigs list( http://chicago.craigslist.org/sub/ )や、シカゴ大学生同士の情報交換の場であるuchi.marketplace( http://marketplace.uchicago.edu/ )等でやりとりされています。そこで、これらの情報を目をかっ穿じって探し続けたわけですが、結局出発までいい物件が見つからず…。しかし、現地についたその日のユースホステルのロビーにてネットにつないでいたところ、素晴らしい物件に出会うことになるわけです。

- Downtown River North(立地完璧)
- Fully Furnished(設備完璧)
- 12月までの3ヶ月半(期間完璧)
- 40F(景色完璧)
- 家賃は、まぁ一応内緒で…(言うほど高くない!)

これは素晴らしい!しかも、調べたところどうやらシカゴでも超有名な建築の一つらしく…。(最初の投稿でUPした、トウモロコシみたいな建物)

ということで早速現在の借り主に連絡を取り、翌日見に行ったところ、

素晴らしい!(写真は自分が住んでからのもの、若干改良済み)

景色もね、すんごいんすよ。


上記2枚は部屋のバルコニーから。

こちらは、60Fのルーフトップから。

ってことで即決しました。

なんか、メチャメチャ運がよかったです。元の借り主のBenjamin君も超イイやつで、しかも彼のセンスが自分の趣味とバッチリ合ったので、そのまま住むには最適でした。ちなみに彼はインドから洋服を仕入れてアメリカで売るビジネスを立ち上げるとのことで、他州へ旅立っていきました。

ということで、アメリカでシティライフを満喫したい人、交換留学先はChicago Boothへどうぞ♪って、あんま都会を売りにしていると、こもこも@Tuckさんにキレられるのがオチなんですけど…苦笑。

ではでは。

Hide@Chicago Booth

2010/12/11

履修終了

Reimsの村井です。昨日で全ての履修科目を終了しました。
これまでのブログの内容では履修科目に関する情報がフラグメントになっているので、履修した順番に他の皆さんと同じような形式でまとめて書いておこうと思います。

Session0
[Strategy]
2週間のコースで前半はミニケースと戦略に関する講義があり、金曜日にグループ毎に企業を選んでその企業の戦略に関するグループプレゼンを実施。後半では新しくグループが編成され、ITを使ってビジネスゲームを行う。途中経過を2回ほどグループで10分程度プレゼンさせられる。このゲームはKBSのビジネスゲームをウェブでやる感じである。このビジネスゲームが終わった翌日に論述試験があり、全ての結果を加味して成績が付けられた。論述試験は戦略のフレームワークを用いて2時間ほど書かなくてはならないが、何も持ち込めないので戦略に関する英単語をしっかりと覚えておく必要がある。

Session1
[New Approaches to Media and Advertising]
内容はKBSで言えば井上(哲)先生の授業が一番近く、2週間で広告の新媒体や評価手法に関する講義が行われる。グループが編成され、各グループにスウェーデンでの自動車広告を考える課題が与えられた。まず1週目に広告の内容に関する個人レポートの提出が求められ、その後グループでプレゼンに向けて広告内容を考えていくというプロセスであった。自分のグループはSAABが割り当てられた。個人のレポートと最終のプレゼンで評価された。

Session2
[Strategic Human Resource Management]
KBSで使われるようなケースを用いた授業が行われる。今回は中国・台湾企業に関するケースが多かった。事前課題として、毎回ケースに関するポイントをパワーポイント3枚ほどに簡単にまとめて提出することが課せられた。ケースディスカッションなので授業中の発言も重要。最終日にグループで自分たちの選んだ企業に関する組織・人事の問題についてプレゼンを行う。これらを総合的に加味して評価された。

Session3
[Fundamentals of Environmental Finance]
内容は炭素クレジットの取引に関するものが中心で、こうした事業の収益性についてファイナンスの面から評価することを学ぶ内容。ただ、ファイナンスの基本的な話はあまりなく、炭素クレジット取引の仕組みや活用方法に関する話題が多い。授業中のミニクイズ、企業と環境というテーマでのグループプレゼン、論述試験、クラス貢献を総合して評価される。論述試験は持ち込み可でファイナンスの要素はあまりなく比較的書きやすい内容であった。計算も一切なし。一方で、ミニクイズは4択であるが、炭素取引に関して詳しく知っていないと正しい答えを選べず難易度が高い。

[Applied Business Forecasting]
内容は統計の授業である。講義で扱う統計手法に関する内容はKBSの統計的方法論Ⅲかそれ以上。実際の作業ベースでは、Statisticaという統計ソフトを用い、回帰分析とトレンド的な予測ができるレベルまでを習得する。KBSの統計の授業ではレポート課題で評価されるが、この授業ではグループで統計的手法を用いたレポートの作成と、最終日に講義で習った内容に関する論述試験がある。論述試験は持ち込み可で各自のパソコンを使ってWordで作成する。テストでは前半の問題でいくつかの統計的手法や手順について説明させられ、後半で実際に統計ソフトであるStatisticaを使って分析を行う。論述試験は2時間で難易度が高い。統計初心者とパソコンが苦手な人にはお薦めできない授業である。


ここからは授業以外の話し。フランスは交通の便が良く欧州のどこに行くのにも便利。鉄道パスを買ってくれば週末にリーズナブルに欧州内を旅行できるし、シャルルドゴール空港から飛行機でちょっと遠出することも簡単。もちろんフランス国内だけでも見どころはたくさんあるので、プランニングさえうまくできれば週末の予定にはことかかない。

最後に、今日寮のコインランドリーで洗濯したらバスタオルだけが無くなっていた。さすがに洗濯ものは取らないだろうと思ってもう一度部屋を確認してみたがやっぱり見つからなかった。洗濯する前にシャワーを浴びて、そのバスタオルを使ったのでさすがに自分がぼけているとも思えない。良く考えてみると、いつもは洗濯ものがからまっているのに、今日はやけにすんなり取りだすことができた。ニューヨークのコインランドリーでも靴下が片方なくなっていたのでコインランドリーを使う際は盗難・いたずらに気をつけよう。バスタオルぐらい取られてもかまわないが洗濯ものを人に触られていると思うと気持ちが悪い。

My Courses

ども。Hide@Chicago Boothです。

実は今アルゼンチンはブエノスアイレスに来ています。シカゴでの課程を全て終了したので、帰国までの束の間の旅行中です。北米メリットに最大限レバレッジ効かせております。

ということで、今回は自分が履修した科目について。

ファイナンススクールと(世間では)言われ、ファイナンス関連科目、教授陣の充実したChicago Boothにて、同関連科目を一切取らず、Strategyで染める(ひとつはジャンルでいうとEntrepreneurshipだけど)という、ファイナンス選考の人たちにとっては暴挙とも言える行動に出ました…。だってファイナンスあんま興味ないんだもん笑。でも、結果的には全科目Takeawaysの多い素晴らしい内容だったので満足満足。“これに強い!”というものを持ちながら、それ以外の科目もしっかりと充実させているトップビジネススクールの懐の深さを感じました。

なお、一部の他校とは異なり、Chicago BoothのQuarterは中休みがあるわけではなく、最初に履修した科目を11週(3時間/週)かけてみっちり学びます。
ということで履修したのは以下の3科目。

(1) New Venture Strategy
ファイナンスに次いで近年Chicago Boothがとても力を入れているEntrepreneurship分野の人気科目。スタートアップベンチャーのビジネスモデルをいくつかに分類し、評価する方法を学びます。Steven Kaplan教授の"Entrepreneurial Finance and Private Equity"(一番人気の名物科目)が定量面だとしたら、この授業では主に定性面を中心としたStart-up評価といった感じでしょうか。自分は起業するというよりは、既存企業における新規事業立案、評価(他企業への出資、アライアンス含めて)の手法を学ぶために履修しました。
教授の実体験を含めたトークは非常に面白く、学生は完全にその世界に引きつけられるといった感じ。またフレームワークがものすごくシンプルにまとめられており、また教授の問いかけもシンプルなので、生徒の授業参加がとても積極的。毎回とても活発な議論が展開されていました。
アサインメントとしては、毎週グループでのCase Write-up、終盤には起業家インタビューとスタートアッププレゼンが課せられます。私の組んだチームは、私以外全員ネイティブ(しかもキレもの揃い!)だったので最初ものすごく苦労しましたが、最後のプレゼンのアイディアは自分が提案したものを採用してもらったり、全員とても協力的でしかも頭の回転がメチャメチャ早いので、グループからのTakeawaysも含めて、とても得るものの多い科目でした。

(2) Competitive Strategy
ベーシックな戦略論とフレームワークを、あらためて本場アメリカのトップビジネススクールで、さらに英語で再確認しようと思って履修した科目。
インド人の担当教授は、非常にまじめで優しいナイスガイといった印象で、毎回ものすごくよくまとめられたハンドアウトを用意し、そして、よく準備して授業に臨んでいるんだろうなぁということが伝わってくる素晴らしい授業進行をしてくれました。週末には何度か補講のような形で、戦略論における言葉の定義を教えてくれるクラスを開講したり、うん、やはりナイスガイでした笑。
毎回テーマが明確で、ケースディスカッションの後に、しっかりとレクチャーで何が学びであったかをフォローしてくれるので、KBSの授業ではいまいち(俺だけ?)コレだ!という感じでは理解できていなかった、戦略論における基本フレームワークがものすごくハッキリ自分の中に入ってきました。ということで、復習になるどころか、新たな学びが非常に多く得られた科目でした。
ちなみにこの科目では、来月からKBSに来るフランス人のF君と同じチームで勉強させてもらいました。(そういえば、唯一ノンネイティブメンバーとグループを組んだ授業だ…。)彼も超~ナイスガイなので、皆さん仲良くしてあげて下さいな。

(3) Strategy Development
前述の2科目にも増して、個人的に一番のお気に入りだった科目。Advanced Competitive Strategyといった感じ。
主に近年のオンラインビジネス、マルチサイドプラットフォームといったキーワードを中心とした競争環境の変化の中で、戦略論をさらに実行ベースで、より一歩突っ込んだ形で学んでいく授業。ビジネスモデルとは何か?から始まり、不確実な環境下、またビジネスが成熟化する中で、どのように方向性をプランニングし、戦略を発展させながら事業を拡大していくか?といった内容を学びます。
この科目の教授も、ハンドアウトがめちゃめちゃしっかりしていて、Competitive Strategy同様、ケースディスカッションの内容をどのように学びとして落とすかを、しっかりレクチャーで補ってくれます。ケースをケースだけの 結論で終わらせない、こっちの戦略系授業の典型的な形態なのかもしれません。(きっと、きっちりハッキリ明確に教えないと、こっちのTakeawaysに厳しい学生が納得しないんだろうなぁ…)あと、教授がテクノロジー系に関心が強いみたいなので、個人的に関心の強いケース、テーマが扱われていたのも、この科目が好きだった理由の一つかもしれません。
この授業もキレキレのネイティブたちとグループ組んだので、できる範囲で貢献するのに精一杯でしたが、彼らからの学びもとても大きかったですね。感謝感謝。

ちなみに、本件に関連して、先日投稿したCourse Biddingに関する自分の結果ですが、見事Phase1で希望した上記全科目を履修することができたのでした!と言っても、人気の(1)に所有ポイントのほとんど全てをBitしたんですが…。運ももちろんあったと思いますが、メリハリと思い切りが大事ですね。ちなみにKaplan教授の授業は所有ポイントではまず履修できなそうだったので、諦めました。(現地2年生が貯まったポイントを、クライマックスに一気にBitする科目なんです…)

ではでは。

Hide@Chicago Booth

2010/12/09

余談

再び村井です。今日のApplied Business Forecastingのグループワークでは、僕が昨年M32の皆さんに配布した自作のエクセルマクロを使用。経済統計の分析ではなかったので標本数を変えないようにマクロを少し変更して総当たりを実施。あっという間に結果がでるので基本的な回帰分析をやるならこれが一番良いと自画自賛だった。経済分析では変数をいつからいつまで標本期間にするかが重要になるが、アンケートの分析や人の分析に使う場合は標本数を変えないので少し配布したエクセルのマクロに変更を加えなくてはならない。ただ、少し変更を加えるだけで色々な回帰分析に使えるので統計初心者には分かりやすいツールだと思う。

外は大雪

Reimsの村井です。
ここのところReimsはよく雪が降って積もりますが、今日はいつも以上に雪が積もりました。写真は今日の様子。



今週はApplied Business Forecastingの授業を受けています。思った以上に統計の授業でした。何度回帰分析の説明を聞いたかなあ(笑)。でも今回は英語なので統計の講義を聞くのが難しいです。英語の統計用語を十分知っている必要があります。おまけに初めての統計ソフトをマニュアルなしで使っているので操作方法が分かりにくいし。ようやく慣れてきましたが。

それと、グループのドイツ人がリーダーシップをとっているのですが、彼がほとんど統計のことを知らないのと、僕も統計を英語で説明するのが難しいところもあって思うように伝わらず、グループワークでのコミュニケーションが難しいなあと感じています。まあ、仮に彼が日本語を話したとしても、統計は自分で相当勉強しないと説明してもなかなか理解できないと思うので仕方がないかなと割り切っている部分もあります。公式は万国共通ですけどね。

KBSはレポート課題もけっこうありますが、Reimsではこの3ヵ月間個人で作成するレポートはほとんどありませんでした。ペーパーテストは時々ありましたが。日本人には使える語数に限界があるので持ち込み不可のテストで理論を使った論述となるとなかなか重い試験となります。Strategyがそうでした。このApplied Business Forecastingは最終日にペーパー試験がありますが、これは持ち込み可です。まあ、回帰係数を計算するような問題は出ないでしょうけど。

何はともあれ、日本語でMBAの基礎科目を学んでいるのがこちらに来てとても役に立ちました。いきなり海外MBAに行って0から全てをやるたいへんさが理解できます。KBSのIPの良さはこうしたところにもあるんじゃないでしょうか。あとはこちらの生活をどう楽しむかですかね。

でも、このブログを読むとIP生遊んでばかりじゃないのと思うかも知れませんが、授業はけっこう重めで評価も甘くはないので手は抜けません。Reimsでの生活もあと1週間ほどだと思うと、この3ヶ月間あっと言う間だったなと思います。

郵送レポートと民主主義

  
  フランスより HAT です。今学期も残すところ二日になりました。こちらは雪が続いており、長いようで短かった MBA 生活が終わりに近付いていることを感じます。

  先日、「ソニー本社はストックホルムにある」と言った教員を紹介しましたが、この科目のレポートはプリントアウトして、彼女の実家があるボルドーに普通便で送らねばなりません。クリスマス休暇中、帰省する彼女は暖炉の前でエスプレッソを飲みながら、優雅にレポートを読むのでしょう。もしくは、プリンターのカートリッジを使いたくないだけかもしれません(だったら PC で読めばいいのに)。

  エセックではイントラネットが整備されており、レポート類はそこに張り付けるだけで事足ります。しかしながら、彼女のレポートは封筒に入れて、切手を張って送らなければならないのです。

  彼女を仮に日本の首相と考えてみましょう。彼女は明らかに理不尽な要求を学生(国民)に押しつけています。学生はそれに対して何かできるかと言うと、現状はできません。なぜならば、シラバス(法律)に「普通便でレポートを送れ」と書いてあるからです。

  では学生に何ができるかと言うと、教員を評価するアンケートで叩くことです。これは選挙と同じ効力を持ち、評価が余りにも低い教員は来学期からの仕事がなくなる可能性があります。無茶苦茶なことをする者は選挙で倒されるのが民主国家でしょうが、こちらの学校でも同じ作用が働きます。

  日本の大学の場合、多くは終身雇用であり、教員が無茶苦茶なことをして、学生が授業評価で厳しい結果を出しても仕事を失うことがありません(セクハラ等は除く)。授業評価自体が万能ではなく、それを鵜呑みにすると単位を簡単に出す授業、A を連発する教員が高評価を受ける可能性もあるため、欧米の学校のやり方が完全に正しいとは言えません。

  しかしながら、学生の声が余り反映されないのは選挙がない社会と同じで、駄目な人間がいつまでもはびこってしまう可能性が高くなります。少なくとも授業評価を気にする姿勢は必要で、それがないと教員側に緊張感が生まれず、授業をより良くしようとするインセンティブが働かなくなります。

  そんなことを考えながら、プリントアウトしたレポートを封筒に詰めているのでした。

  

2010/12/05

雑感

今日は夜にReimsで久しぶりにブラッセリーに行ってきました。前菜がフォアグラのパテだったので1杯目で赤ワインを注文し、メインに魚料理をオーダーしたので、2杯目で白ワインを追加注文しました。が、出てきたのは赤ワインでした(笑)。英語が通じてなかったんだろうな。一般的には魚料理には白ワインというのが定番ですが、それでも今回は赤でも悪くはありませんでした。魚のフライだったからかもしれません。実のところ私は白ワインがあまり好きではないんです。酸味の強いものは特にですが・・・。で、ふと思ったことは、ワインのイノベーションとは肉にも合う白ワインと魚にも合う赤ワインを作ることだったりするのではと思ってしまいました。そうなるとワインの種類が増えすぎてソムリエが困りそうですね。(ワインに蘊蓄を垂れるほど詳しくはありませんので、念のため)

続いて、このブログであまり触れられない修士論文の話。日本にいる間にほぼ終わらせてくるべしという学校の方針は正しいと思います。僕の場合、7月までにこれでも出せるという状態まで仕上げて来ました。7月は毎日明け方まで文章を書いて、データをチェックしている日が多かったのを思い出します。但し、フランスに来ても時間がありそうだったので、プラスアルファで事例研究をすることにしました。それも先週までに仕上げて追加の事例研究の部分を先生に電子メールで送付しました。あとは帰国後にその部分を本体に追加する作業を残すのみです。7月までに作成した修論のデータはとても重要なのでこちらには持って来ず、ネットワークからも物理的に離した状態で自宅に保存しています。XXさんは数日前にパソコンが故障してメールをチェックしたりするために僕のネットブックを借りに部屋まで来ている状態です。僕自身も1台では不安なので通常使用しているノートパソコンとネットブックの2台を持ってきたわけですが、ネットブックは授業に持っていったりReimsから外にでるときに携行するのに便利です。

修士論文を書いて良かったなあと思うことは、誰にも遠慮せずに自分の思うことを思う通りに書けるということです。これは会社では得られない経験だと思います。海外MBAに行った場合は修論を書かないので、この点は日本のMBAの良い点でしょう。海外MBAは英語の面で苦労するが、日本のMBAは修論で骨が折れる。どちらに行ってもたいへんなことに変わりはないと思います。(IPはこの両方を経験することになります)

あと1週間と少し

Reimsの村井です。
昨日、Fundamentals of Environmental Financeの授業が終わり、残すところApplied Business Forecastingの授業のみとなりました。(河田さんは昨日こちらでの履修科目全てを終了しました。)色々とたいへんだったStrategic Human Resource Managementですが、成績が2週間ほど前に通知され、グループには恵まれなかったものの、成績の面では良い点数がもらえました。一人頑張った甲斐があったようです。
さて、Fundamentals of Environmental Financeの授業ですが、内容はCDM(Clean Development Mechanism)といった炭素クレジットの取引に関するものが中心で、こういった事業の収益性をどのようにファイナンスの面から評価するかというものでした。とは言うものの、ファイナンスの基本的な話はあまりなく、炭素クレジット取引の仕組みや活用方法に関する話題が多かったように思います。授業中に行われるクイズ(25%)、グループプレゼン(25%)、ペーパーテスト(40%)、クラス貢献(10%)で評価されます。授業中に行われるクイズも、炭素取引の仕組みに関する内容が結構細かいところまで出題され、かなり難易度の高い問題でした。また、ペーパーテストも半分以上できていないと、その人についてはグループプレゼンの評価をしないという厳しい評価方法で、この科目は単位貰えるんだろうかと心配になったほどです。(ペーパーテストが良くできた気がするので単位はちゃんと貰えると思うのですが)
来週からApplied Business Forecastingという授業が始まります。先日、統計ソフトをインストールしてくださいというメールがこちらの学校の担当の方から来ました。日本でもそうですが、先生毎に使う統計ソフトが違うので、統計ソフトにもデファクトが必要だなあと感じる昨今です。また回帰分析やるのかなあ(笑)。

2010/12/01

Course Bidding


ども。Hide@Chicago Boothです。

実は昨日までグアテマラ、ホンジュラスに旅行に行ってきました。
Chicago Boothにて自分が勉強させてもらっている学期(Autumn quarter)は、全体としての期間は短いのですがその代わりに大きな中休みがなく、Thanksgiving holidaysとして先週の木、金、土曜が休みになったのみなのです。ということで、今週頭とくっつけて、中米にリフレッシュに行ってきましたという感じです。ただ、あっち行ってまで課題をやっていた自分が悲しくなりますが…。旅行についてはまた追って。

さて、今回はChicago Boothの学期開始前のハイライトとも言える"Course Bidding"(履修制度)について少しだけ。

KBSでは、履修したい科目は基本的にはすべて履修できますよね。しかしこれは、
> 基礎科目を必修で課され、選択科目の人気がある程度分散すること
> 1学年が100人程度の規模であること
> 大人数の場合は(いいか悪いかは別にして)大教室という奥の手あり
というKBSが故にが成せる業であり、先日お伝えしたように、フルタイムだけで1,100人もいるChicago Boothではそうはいかないのです。(他大ももちろん然り)
ということで、各学生の履修申告を公平に決定するための仕組みがCourse Biddingということになります。

"Bid"というと、オークション等を思い出すかと思いますが、まさにその通りです。
各学生が所定のポイント数を所有しており、履修したい科目に対して所有しているポイントの中から自分で決定したポイント数を文字通りBidするのです。
この手続きはすべてChicago Boothのポータルサイト内の"iBid"というページで行われ、消費ポイントの決定プロセスは、たとえば60人履修できる科目に61人Bidしたとしたら、各PhaseのDeadlineのタイミングでポイントの高い順番で履修可能となり、60番目の人がBidしたポイント数(つまり履修できる人の中で最低のポイント数)が一律消費されるということになります。1番目の人が10,000ポイント、60番目の人が1,000ポイントだとしたら、1番目~60番目の履修できる人全員が1,000ポイントを消費すると。なお、61番目の人が900ポイントBidしていたとしても、結果的にその人は履修できず、ポイント消費もされないということになります。
ちなみに、Bidした人の数が定数の60に満たない場合は、全員消費ポイントなしで履修可能となります。あと、このポイントというのは単位を取得すると一定数補充されます。(IP生には関係ないですが)

公平性が保たれると同時に、この仕組みのメリットが2つあると思っています。
> 授業の人気度がオープンになる
> 学生の(特に人気の)授業に対するコミットメントが高まる
前者については、各授業が過去に何ポイントで履修できたかがサイトで一目瞭然になるので、履修の際の参考になるのと同時に、教授サイドのモチベート材料にもなるでしょうし、後者については、限られたポイントを各授業にアサインしていくわけですから、シレっと紙だけ出して履修するよりは自ずと学生のコミットメントも高まるというわけです。

ちなみに交換留学生の履修に関する現地生との差別、区別は一切ありません。一点だけ強いて言えば、Prerequisites(履修にあたって、事前に履修が推奨される科目)が"Strict"に指定されている場合、それに代わる授業を自分の学校で受講済みであることを事前に教授にメールで説明して了解を得る必要があるということくらいでしょうか。

しかしこのCourse Bidding、履修段階から学生の戦略的思考が試されるプロセスで、1学期だけしか受けられない我々にとってはドキドキものでしたが、なかなかもってよくできたシステムです。
システマチックでフェアネス、履修できるかどうかは自己責任。Chicago Boothらしいと言ってもいいのかもしれません。

ではでは。

Hide@Chicago Booth