2010/09/30

世界の片隅で阿鼻叫喚

これ。
スウェーデン名物のSurströmmingっていう食べ物です。
世界で一番臭い缶詰、というフレコミ。
スウェーデン人の友達が「試してみたい?」とくれたんですが、
天気も良いし、今日は授業もないし、と
友人たちと軽ーいノリで、開けてみることに。

まず、「水の中で缶を開けろ」「必ず屋外で開けろ」
ということを言われたので、近所の公園へ。
缶きりの使い方が分からなかったので、近くの人に聞くと、
「離れろ!!」との指令。
このころは「えー、そんなに??」とまだ笑ってられました。

ボールに水を張って、そのなかに缶詰を入れて、
念のため用意しておいたゴム手袋着用で、いざオープン。

すると。
缶きりが「ぷしゅ」って音を立てた途端に漂う悪臭、走る戦慄。
「これは・・・」と声を失う我々。

予想以上だ。

一番近い臭いイメージは、すっごく汚い公衆トイレに
腐ったらっきょうが捨ててあった、みたいな。
正直、トイレの方がまだまし。馴染みがない種類刺激臭が漂う

これは、ホントに食べ物なのか??

缶を開け進めるごとに、強くなる悪臭。
たった一つの缶詰から、ここまで強い臭気が放たれるとは。
所詮食べ物、と高をくくっていた自らの認識の甘さを悔いる。
缶を開いた勇者からだんだん遠のく我々。
頼む、風よ吹かないでくれ。
「ぎゃー」「うっ」「無理・・・・」と逃げ惑うことしかできず。

開けてみると、意外と大きな魚が入ってました。
魚の色も普通。臭いさえなければ美味しそうに見える。

でもこの頃になると、もはや食欲は失せ果て
吐き気・頭痛をもよおしてきました。健康被害発生です。衛生兵!
逃げる元気すらない。茫然自失、凍死寸前の八甲田山状態。

臭い、臭すぎる!!!

マジでこれでテロが起こせるんじゃないかと思うレベル。
生命の危機を感じた我々は「はやくここから逃げなきゃ」と、
事後処理だけはしっっっっっかりして、一目散にその場を離れましたとさ。

警告:開けるな危険!!第一級危険物として取り扱うべし。


しばらく立ち直れない・・・。


一応、勇者が一口食べたところによると、
 良く洗えば、ちょっとしょっぱい魚っていう感じで
 食べられると思う、とのことです。
 ごめんなさい、私は食べる勇気は出ませんでした。

2010/09/29

Classes at Fuqua Program

こんにちは。だいぶDurhamの日常に慣れてきました、つかだです。
Durhamが大都市でないことも影響してか、本当にあたたかで付き合いのよい人が多く、
またローカルな交流イベントも多々あり、交友関係が広がってゆきます。
その辺りはまた今度ご報告するとして、今回は学業に関する内容。

Fuquaはこんな感じです!
・学期は、9月初旬~10月中旬(Fall-1)、10月末~12月中旬(Fall-2)の2Term
・2Term合計で5つの科目を履修する(本年度の場合)
・各科目は、1回2時間×2回/週、月木か火金で、水曜日はClassがない
・Exchange に提供される履修選択肢は、Accounting, Finance, Marketing, Management などから20程度(本年度の場合)
・多くのクラスは60人程度で行われ、発言含め雰囲気もKBSに近く比較的あたたかい(主観です)
・参考図書や教科書は提示されるが、ClassではCase (HBSのもの)を扱うことが多い
・グループワークのある科目が多いよう

現在履修中の2科目は、


組織においていかに振舞うか、何が力の源泉となるかなどをケースを通じて学ぶ
クラス貢献、assignment、期末テストが評価の柱

タイトルそのままの内容を、KBSとはまた違う枠組みを使い学ぶ
期末には、実際に企業へマーケ戦略を提案するというプレゼンもあり
クラス貢献、assignment & final presentationが評価の柱

こんな感じです。これまでの感想は、理論、議論ともに興味深い!
英語力の関係で聞き取れないことも多いですが。。。
なお、ともにグループワーク(7人、4人)があります。

現在のモチベーションとしては、少しでも発言しなきゃ!といったところでしょうか。
予習もそれを主目的としたものになっています。

今回はこの辺で。ではまた☆

2010/09/27

マルクスは生きている?


  フランスより HAT です。昨日、エッフェル塔に行ってきましたが、公務員が大きな集会を開いていました。政府に対して、何らかの要求をしていたようです。先週の水曜日は、ストライキによって大幅に鉄道ダイヤが乱れ、皆疲れ切った顔で時刻表を眺めていました。このことを米国からの留学生に話すと、「フランスは社会主義国だからね」とつぶやいたのです。医療でさえ民間に任せている米国人から見ると、そう感じたのでしょう。

  私がアメリカで働いた時、最初にしたのは医療保険会社の選択でした。アメリカでは医療保険料が保険会社によって異なり、安い保険料しか払えないと高度な医療を受けることができません。私が検診を受けるため歯科医に予約をしようと思ったら、「3ヵ月先しか空いてない」と言われ、愕然とした記憶があります。米国では、基本的にかかりつけの病院以外で医療を受けるのは難しいため、このようなことが起きます。憤慨した私は米国人の同僚に、「国民健康保険がないのはおかしい」と話したのです。それに対する彼の返答は、「お前は社会主義者だなあ」というものでした。

  意外かもしれませんが、ウォール街で働く人々は社会主義や共産主義についての文献を良く読んでいます。多くの金融機関経営者は、マルクスの「資本論」を熟読しているほどです。あるCEO経験者によると、今回の金融危機は「資本論で書かれていることがそのまま起ったのであり、金融に携わる者はマルクスのことをもっと勉強するべきだ」と唱えたほどです。

  マルクスは資本論の中で、「労働者(従業員)をより効率的に搾取するために、資本家(企業)は自身の数を少なくしようとする」と述べています。つまり、合併によって企業数が少なくなり、一企業当りの従業員、顧客は多くなるので、搾取の度合いが促進されていくというものです。これにより、資本家(企業)はますます儲けることになりますが、労働者(従業員)はより効率的に搾取されるというのです。

  但し、ある場面に到達すると資本家の数はごく少数になり、圧倒的多数の労働者が資本家を倒すとマルクスは言います。ここでいう「倒す」とは、民主的な政治手続きではなく、暴動やクーデターのような形で、労働者が資本家から富や資産を奪い返すことです。マルクスは、「資本家は最初、暴力や略奪等で資産を手に入れたのだから、労働者がクーデターでそれを奪い返すのは当然だ」的な主張をしています。これが実現した後、社会は理想的な共産主義になるとマルクスは予想したのです。

  欧米、日本もそうですが金融機関に限ると、合併の歴史といえます。金融機関が合併する大きな理由の一つに、金利競争がなくなる点があります。住宅ローンを借りる場合、家の近くに3つの銀行があるとしましょう。この場合、A銀行は1%、B銀行は2%、C銀行は3%とそれぞれ異なる住宅ローン金利を提示します。

  しかしながら、3つの銀行が合併してしまうと選択肢がなくなり、合併後のABC銀行が提示する高めの住宅ローン金利に応じざるをえなくなります。これは実際に日本でも欧米でも起っており、マルクスが唱えた「より少ない資本家がより多くの労働者を搾取しようとする」ことが、銀行の合併という形で的中していることになります。

  一方で、怒った労働者が資本家を倒し、理想的な共産主義社会が到来するというマルクスの予想は現時点で当っていません。主要な資本主義諸国は法治社会で、政府が強力な軍隊を保有しているため、クーデター等の非民主的な形で政治、経済体制が変わる可能性は余りありません。また、米国は共産主義を毛嫌いしていますし、ドイツの様に憲法裁判所が共産党を解体させた国もあります。このため、マルクスの理想はかなうはずがないと考えられているのです。

  今回の金融危機は、合併を繰り返した銀行が自分にとって都合の良い商品を開発することで発生しました。そのつけを払わされたのは納税者であり、マルクスの言う「少ない資本家、多くの労働者」理論は部分的に的中しました。しかしながら、社会はより複雑化し、どのような形が最も良い政治、経済体制なのかは未だに議論されています。最近では、漫画でも「資本論」が読めるようになっています。これから資本家(?)になる皆さんにとっても、興味深い文献だと思います。 
 

街中にいる芸術家 その1

ヨーロッパの街では、どこにいっても芸術家がいます。じっと動かない行動芸術家がたくさんいます。


今回は写真で紹介します。










パリでは、顔を白くする人と、金色の服を着る人が多いかと思います。

学校始まって2週間

授業が始まって2週間経ちました。HECの1限は8時から始まります。パリで住んでいるので、朝6時40分の電車を乗らないと間に合わないです。5時50分ぐらい起きます。朝が弱い僕にとっては大変です。パリは朝が遅いのか、6時40分でも、街はあんまり人がいないです。駅まで行く途中で、エッフェル塔が見えます。朝のエッフェル塔はまた夜と違って、なんか情緒ありますね。電車も東京とまったく違って、ほとんど人がいないです。

こんな感じで通学しています。

1.パリ市内から電車RER CでVersaille chantier駅(ベルサイユ宮殿の近くの駅)  約30分
2.Versaille chantier駅からローカル線でJouy en josas駅(HECの駅)  約10分
3.Jouy en josas駅(HECの駅)からバスでHECキャンパス  約15分
乗車時間は1時間もないが、電車の乗り継ぎが悪いので、片道で1時間半もかかります。KBSにいた時の徒歩10分と違いすぎ(^^;

では、学校について紹介します。HECは1881年に建学されました。MBAは1969年に設立され、特徴としては16カ月コースで国際性を重視しています。授業の8~9割が英語で、フランス人も20%しかいないです。


HECの全体のキャンパスはとても広い。日吉キャンパスの何個分があると思います。キャンパスは森の中にあるような感じで、湖もあります。キャンパスの大きさからMBAの運動会にあたるMBAトーナメントもHECにて毎年開催されています。 下の写真みたいに、学校のキャンパスでBBQできました。



しかし、MBAの建物は丸い形にしていて、面積はKBSより小さいです。またロッカー、グループ室、図書館(図書館は学部生に当たるグランドゼコールのを使います)もないです。施設面を充実するために、新しい建物を建設しているようです。完成するのはおそらく2年後になるかと思います。




ロビー

ランキングについてですが、最近発表されたThe Economist では世界9位にランクされています。Financial timesでは、Europe business school過去4年度で1位でした。2010年度のMBAコースランキングは世界で18位でした。MBAよりはMaster in mangement方がランキング的によく、過去5年も世界3位以内でランキングされました。
参考:
http://rankings.ft.com/businessschoolrankings/rankings
http://www.economist.com/whichmba

毎年、12月前後にJapan weekというイベントがありますが、現在こちらの日本人学生を中心に取り組んでいます。僕も参加させていただきました。数日間、学校のロビーがイベント会場になって、日本の紹介や、ゲーム、講演などあったらしいです。日本企業もスポンサーになっていただきます。

2010/09/25

ユーロと愛とサルコジ


  フランスより HAT です。先週末、レンタカーでドイツへ行ってきましたが、その際に色々と新しい発見がありました。一番の感想は、国境というものを殆ど感じなかったこと。フランスとドイツの国境を越えたのが深夜だったこともあり、気が付いたらドイツという感じでした。車を運転していた韓国人によると、ドイツに入る直前にフラッシュがたかれ、写真を撮られたので、カメラを使って入出国を管理しているのではないか、とのこと。私からすれば、それは入出国管理ではなくスピード違反を取り締まるオービスではないかと思ったのですが、まあそれは良いでしょう。

  ドイツもフランス同様、ユーロ加盟国であるため、当たり前ですがユーロがそのまま使えました。周りのフランス人に、「ユーロを導入して良かったと思うか?」と尋ねると、多くの人が「良かった」と答えます。その理由として、「ユーロ圏に行った時に価格差が良く分かるので、買い物がしやすい」というものが一番多い気がします。私自身、ドイツに行って感じたのは、「ドイツって水が高いのね・・・」ということです。フランスは世界一の水大国であり、1.5Lの水でもスーパーに行けば50セント以下で買えます。しかしながら、ドイツでは3倍近い1.4ユーロもしました。水と同じく、ガソリンの値段もユーロ圏各国によって異なり、国境近くに住む人はガソリンの安い国にわざわざ行って、調達することが一般的になっているようです。

  この点だけを見ると、「ユーロ成功!」と無邪気にはしゃぎたくなるのですが、実は大きな問題も抱えているのです。フランスとドイツにおける水のように大きな価格差がある場合、両国の通貨が異なれば、為替変動によって調整が行われます。水の価格が低く安定しているフランスの通貨が上昇し、水が高いドイツの通貨が下落することで、両国の物価が調整される訳です(正確には様々な要因で為替が変動するので、これはあくまで例)。

  円とドルを使うと、この構図は分かりやすくなります。東京・大手町でお昼にとんかつ定食を食べると1,200円、ニューヨーク・マンハッタンで昼食を普通に食べると20ドルかかるとします(実体験)。この部分だけをみると、1,200 ÷ 20 = 60 で 1ドル = 60円になってもおかしくない計算になります。物価が下落気味の日本の円が上昇(円高)し、物価が下落していない米国のドルが下落(ドル安)するのは、この点から理解できます(これもあくまで例であり、為替は様々な要因で動く)。日本の物価が変わらないのに、他国の物価が上昇すると、円高という金融現象によって調整が行われるのです。日本政府が為替介入しても、円高が止まらないのはこのためです。

  フランスとドイツの例に戻ると、水が安いフランスの通貨が買われ(上昇)、水が高いドイツの通貨が売られる(下落)はずなのですが、ユーロという単一通貨があるため、この調整が行われません。つまり、ユーロ圏はインフレ率がそれぞれ異なるのに、ユーロを通じて固定相場制を採用していることになります。

  この仕組みで問題になったのは、ギリシャでしょう。ギリシャは数年前から積極財政を続け、インフレ率が上昇していました。近年、財政赤字額の虚偽が明らかになり、ギリシャ国債の金利は大きく跳ね上がりました(価格は急落)。ギリシャ国債が債務不履行になると、ギリシャ国債を大量に保有する欧州系金融機関は大きな損失を計上することになります。ドイツ、フランス等の主要国はギリシャに資金供給してギリシャ国債の債務不履行を止めるか、ギリシャ国債を債務不履行にして損失を負うであろう金融機関に公的資金を注入するか、という決断を迫られた訳です。

  結果として、ドイツ、フランスはギリシャ救済を選択しました。「ユーロを守る」という大義名分の下にギリシャを救済する方が、選挙受けの良くない銀行救済よりも政治的に好ましいという判断が働いたのでしょう。日本が2年前にIMFに対して10兆円資金提供する時、メディアは特に何も言わなかったのですが、98年、99年に同額を銀行に注入した時は大騒ぎになりました。この点は古今東西、似ている部分があるのかもしれません。

  ギリシャ救済時に話題になったのは、仏大統領サルコジです。サルコジは独メルケル首相に対して、「ギリシャ救済を認めなれば、フランスはユーロから離脱する」と迫ったと報道されました。しかしながら、フランスがユーロから離脱するためにはユーロ全加盟国の承認が必要であるため、このサルコジの発言が本当かどうか疑った記憶があります。サルコジは一人で「離婚する」と言っているのと同じで、彼の私生活ではそのようなことが可能だとしても、ユーロ離脱は相手の同意が必要なのです(しかも複数)。

  一部報道で、「ギリシャがユーロから離脱するのではないか」というものがありますが、この場合でもユーロ加盟国の同意が必要で、ギリシャ一国で決められることではありません。色々と言われるユーロですが、使い勝手が良いこともあり、離脱国が出るとしてもこの1、2年で起こるとは考えにくく、10年、20年単位で今後の方向性が議論されるでしょう。第二次大戦の悲劇を繰り返さないため、ユーロという愛で経済統合を図った欧州。しかしながら、人間と同じで愛は壊れやすく、持続させるのは難しいようです。
  

2010/09/24

Exchange Program has begun!

こんにちは。Reimsから村井です。
9月16日にオリエンテーションがあり、20日から授業が始まりました。食事は自炊が基本ですが、ワインやチーズ、またハム、パテなどが簡単に手に入りとても美味しいです。



      ※KBS組は右下(僕ら以外に日本人正規生が2名います)

Reims Management SchoolのExchange Programは9月から12月までが0から3セッションの4つに分かれていて、僕は次の授業を受講します。


Session0:Strategy
Session1:New Approaches toMedia & Advertisement
Session2:Strategic Human Resource Management
Session3:Fundamentals of Environmental Finance
+ Applied Business Forecasting


基本的にはグループワークなのですが、Strategyは2時間のテストもあります。他の科目はこれからなので詳細は未定ですが、プレゼンとグループワークなど全体的にはKBSと同じような感じです。河田さんとはSession2で同じ科目を受講します。


今受けている授業は、コア・コンピタンスやイノベーションといった内容で、KBSでもなじみのある内容です。日本企業の例がけっこうでてきます。これらに関する論文のリーディングとレビュー、ミニケースへの回答作成が事前グループ課題です。授業への貢献度、プレゼン、ペーパーテストの結果などで評価されます。

2010/09/20

八甲田山と欧州レンタカーの旅


  フランスより HAT です。先週末、ドイツのミュンヘンを訪れました。世界最大のビール祭り、「オクトーバーフェスト」に参加するためであります。パリからミュンヘンまではおよそ900km、東京から福岡までの距離とほぼ同じ。普通の感覚だと鉄道か飛行機を使うと思われるが、価格の点からレンタカーが選択された。同行者は韓国人、中国人、シンガポール人と全員アジア系である。この旅行中に何と、伝説のケース「八甲田山雪中行軍」が活かされることになるのである。

  先週の金曜日は授業が午前中だけであったため、昼食を取ってからミュンヘンに行く予定にしていた。しかしながら、シンガポール人の体調が思わしくなく、集まった瞬間からお腹を押さえて足を引きずっているではないか。全員から「大丈夫か?」という質問が投げかけられたが、「問題ない」の一辺倒。行くという人間を返すわけにもいかず、結局出発進行となる。

  今回の旅行計画については全く関与していなかったのだが、次第に準備不足が明らかになる。レンタカーを借りたはよいが、カーナビがついていない。韓国人の i-phone をカーナビ代わりにしようとするも、画面が小さく、音声もないため殆ど役に立たない。午後2時に出発したが、午後6時になってもパリ市内をうろうろしている始末。それに加えて、シンガポール人の容態はますます悪化していく。発熱、腹痛、悪寒。どう考えても旅行ができる状態には見えない。道が分からない苛立ち、病人を抱える不安、一同の焦燥感は次第に高まっていく。

  その時、私は八甲田山のケースで学んだことを思い出そうとしていた。行くか、戻るかは自分で決めなければならない。しかしながら、重要なことは一同のやる気を極力なくさせないようにすること。戻るにしても、いきなり戻るのでなく、ある程度やれるかどうか確認してから戻れば、全員の士気を極度に落とすことは避けられる。一年以上前のグループワーク、クラス討議も意外と覚えているものである。

  午後2時の出発から4時間が経過してもパリを抜け出せない状況で、この後どうするかについての話し合いが行われた。以下は、車内における会話である。

日本人男性: 4時間経ってもパリから出られないし、病人もいる。一度セルジー(学校の寮がある場所)に戻るべきではないか。
韓国人男性(運転中): 大丈夫、何とかなる。重要なのはあきらめないことだ。
シンガポール人女性(重病人): ホテルに既に料金を払ってある。返金されないのに帰れるか!
中国人女性(イライラ最高潮): 何でこの i-phone は使えないんだ!

  全員がMBA学生であるにも拘らず、特に議論もなく、多数決により旅行は継続されることになる。八甲田山の授業風に言えば、「行くであります」となったわけだ。この後、運良く電化製品店が見つかり、カーナビを購入して道に迷うことはなくなった。しかしながら、ミュンヘンに到着したのは翌朝の午前6時前。その後、睡眠を殆ど取らず午前9時に起床してビール祭りに参加したが、ただビールを飲んで騒いでいるだけの祭りであった。

  シンガポール人の容態はその後も悪化して、日曜の朝は殆ど動けない状態になった。結果として、日曜の午後パリに戻ることになり、結局殆ど観光することもなく、この旅は終わることとなった。

  今回学んだことは、サンクコスト(埋没コスト)をあきらめさせることの難しさである。既にホテル代を支払っていたため、病気で動けない人間を抱えたまま旅行を継続した。病人が旅行を止めることで、他の人間の効用(自由に動ける嬉しさ、喜び)は全体で大きくなったと思われる。しかしながら、現実には病人がサンクコストから逃れられなかったため、全体の効用は大きく落ちることになった。

  実際のビジネスに戻る前に、ケースを活かす場面に出くわすとは正直思わなかった。八甲田山でも、一兵士達は様々な思いを胸に上官の間違った命令を聞かされていたことだろう。現実のビジネスでも、間違った判断を認めたくない(サンクコスト)ため様々な悲劇が起こりうる。今後の判断でも、「サンクコストに気をつけなければならない」、と狭いレンタカーの中で思ったミュンヘンへの旅でありました。

2010/09/19

廃墟と薔薇の街:Visby, Gotland

金曜休講なのを良いことに、ストックホルムからみて南にある
Gotlandという島のVisbyという街に行ってきました。
まずは電車で1時間半、それから船で3時間の旅。

廃墟です。
バラも辛うじて咲いてました。ベストシーズンはやはり夏みたいです。
城壁に囲まれたエリアは廃墟、そこから出ると普通の街らしい。
えっちらおっちら城壁を目指す途中にこの景色。

魔女の宅急便のモデルになった街らしいです。確かに!!
キキやジジがひょっこり出てきそうな雰囲気に大興奮。
ジブリファン、そして女子なら悶絶間違いなしデス。

城壁の外から。この日は快晴で、海も穏やか。
海から吹きつける風にそよぐ草すら、おとぎ話の中の出来事のようです。

街の中は古い石畳が。そして観光客用のお店やレストランが並んでました。

美味しいパンやチョコレート、クレープなどをつまみつつ、散策。
素敵なデザインの哺乳瓶を見つけたので、
12月に産まれる姪っ子への最初のプレゼントを購入。

ちょっと写真だと分かりにくいなぁ(汗)
喜んでくれるかな??

1泊2日で旅行してきたのですが、泊まったホテルも快適だったし、
風は強めだったけど基本的には晴れていて、最高の旅行でした。
食べ物は、羊が有名みたいです。後、サフランのケーキ。
確かに、美味しかった。

スウェーデンに来たら、絶対絶対行くべき!と思います。
冬になると船旅はキビシイと思いますが、飛行機も出ているみたいです。

個人的に、この街のベストショットはこちら。

良く見ると、真中に老夫婦が仲良く座ってます♪素敵すぎる。

I love Chicago!!

皆さんこんにちは。
Hide@The University of Chicago Booth School of Business(以下、Chicago Booth)です。
先日無事にシカゴに到着しました。最後の渡航者ということで、ようやく(初)投稿させていただきます。

いろいろと語ることはあるのですが、まずはシカゴの街の雰囲気について写真と共に。(こう見えて、写真好きなもので…)
シカゴのダウンタウンは街全体が“建築博物館”と呼ばれ、クラシックから近代建築まで様々な素敵な建物に出会えます。どこを見渡しても絵になるという感じです。また、建物だけでなく、様々なアートにも街を歩いているだけで簡単に出会えちゃいます。はっきり言ってこの雰囲気には完全に虜になりましたね。

ミレニアムパークの通称「ビーン」とシカゴの摩天楼。日吉駅の銀玉とは規模もセンスも段違いなのでした…。

同じくミレニアムパークのCrown Fountain。人の顔や表情は数分ごとに変化します。座って見ているだけで、いと楽し。

どこを見渡しても絵になります。

右が最近できたトランプタワー、左がIBMビル。

トウモロコシ型をしたツインタワー「マリーナシティ」。実はここに住んでます…。住居についてはまた追って。

オレンジのネオンが華やかなシカゴ劇場。ブロードウェイの引っ越し公演をやってたりするので、今度暇を見つけて観に行ってみようかと。

つい最近完成したパブリック・アート「EYE」。これは感想に困る…。見たそのままですね。

Chicago Boothの学生の多くが住む「Lakeshore East」というミシガン湖沿いの高級住宅エリアにある人気アパートメント、左が「Aqua」、右が「Tides」。

最後にミレニアムパークで撮ったお気に入りショット。

と、ざっとこんな感じです。ほんの一部ですけどね。
いや、想像以上に素敵な街でビックリです。NY、LAに次ぐ米国第3の都市と言われていますが、雰囲気&センスは抜群だし、派手過ぎず人も多過ぎず落ち着いているし、現地の人たちはやさしい人ばかりだし、この街を大好きになるのに多くの時間はかかりませんでした。
ちなみに、ミシガン湖から吹く強風も相俟って(シカゴがWindy Cityと呼ばれる所以)、冬は極寒らしいので、そのころ同じことが言えているかどうかは現段階では不明ですが…。
ということで、まだまだお伝えすべきことはたくさんあるのですが、今日はこの辺で。
ではまた♪

Hide@Chicago Booth

2010/09/16

お勉強の話

どうも。増子です。
昨日、Erikに再会しました。
彼はKBSへの交換留学後、PhDに進んだそうです。
で、昨日は再会を祝してランチしました。
どの授業取ってるの?と言われたので答えると、
「この学校に来て、Accounting も Financeも取らないなんて!
と言われてしまいましたが。。。

KBSから交換留学する場合、
錚々たる欧米ビジネススクール名門校が提携校リストに掲載されてる訳で、
その中でSSEはちょっとマイナー。
でも、授業の質は相当高いんじゃないかなぁ、と思います。

今回私が敢えてのチョイスで選んだ経済学寄りの授業は
読まされる量が半端ないけども、読みごたえのある論文ばかり。
しっかり理論を抑えることができます。
なおかつ、マイナー授業なので、人数が少なめでインタラクティブ。
授業自体はかなりフランクに教授やクラスメイトと議論します。
まぁ、ついていくのが大変なんですけども。

もちろん、大人気のAccounting、Valuation、Entrepreneurshipなんかだと
大教室だし、レクチャー形式の色合いが強いのかもしれません。

北欧ならでは、と感じたのが企業のSustainabilityの議論の時に、
economical、socialの他、ecologicalがものすごく強調されたこと。
そりゃそうだ、と思いつつすごく新鮮な気がしました。

さて、本日は今読まされている本のご紹介。
INSTITUTIONS AND THE PATH TO THE MODERN ECONOMY

中世の商慣行・制度をゲーム理論で分析してるこの本、
今まだ半分くらいだけど、すごい面白いのでおススメです。
興味のある方は、是非!

School begin!

Tuckの授業が始まりました。といってもTuckを知らない方のほうが多いと思うので(正直あぷらいするまで自分も名前しか知らなかった・・・)Tuckの紹介からはじめたいと思います。
Tuckスクールはダートマス大学の大学院の1つです。ダートマス大学はアイビーリーグのひとつで位置づけ的には日本だと京大にあたるらしい・・・ダートマス大学はそのほかの特徴としてアイビーリーグでもっとも富裕層が来ているということで有名で確かに学校の駐車場には、ポルシェだのベンツだのが結構たくさん並んでます。ダートマス大学は施設も充実していて、なぜか大学の癖にゴルフ場を所有していて(一日100円!でワンホール)、またスキー場ももってます。なのでスポーツ大好きな方には魅力的なところといえます。
地理的には、ボストンの北、バスで2時間(ニューヨークだと6時間!)のところにあってカナダのほうが近いです(そのためかこの辺のドライクリーニングはカナダに送って洗っているらしい・・・)。現在、すでに秋が始まっていて、朝・晩は寒いです。かえでは散っており、りすは冬支度でぶくぶく太り始めました。なのに地元の人はTシャツで歩いてます。
町はどんなかんじかというと・・・・・・・
なーーーーーーーーーーーーーーーーーーーにもない!
なので勉強するにはよい環境といえます 寒いため、早く家に帰りたいし、家帰ってもすることないから本読むかネットサーフィンするしかないためいやでも英語力はあがります
サマースクールでは半分日本人だったため、日本語をしゃべってしまうことが多かったですが、ここではそもそも日本人がとても少ないためしゃべる機会はほとんどない。
ニューヨークで5日ほどすごしてから行ったため、ギャップにしばらく苦しみました。ダウンタウンといってもメインストリートは500メートルぐらいでダッシュできそうな距離で、本屋、3つしかないバー、あとはダートマスグッズ店がなぜか2つ、キッチングッズ店が2つといった感じです。いずれも上品な感じのお店で、ダートマス日本人学生ガイドブックによると日本の軽井沢らしい・・・たしかに家の周りも豪邸しかなく、この町が全米1の貯蓄高をほこる住民の町はわかるのですが、余りにエンターテイメントがないため、北軽井沢にしか思えないです。Kマートもあるけど、ダンキンドーナッツと併設でセブンイレブンほどの大きさしかない・・・
英語力をあげたい!!という方には、寒さをたえられればお勧めの場所といえます。
 そんでもってやっと本題の授業ですが、月曜と火曜、水曜と木曜と連続二日1科目を行う変な形式です。よって金曜日はお休み。
 授業の雰囲気はアットホームな感じで、いまのところすごいスピードで進むこともなく平和にしております。といってもまだ一週間こなしてないですが。予習していけば問題ないレベルです。
 在校生は、アメリカのMBAにしては人数が少なく200人ぐらいです。することがない=企画するしかない、ので週末はやたらパーティーが学校内や外で開かれてます。校内メールでながれてくるので、それに登録して参加できます。クラブ活動も活発で、今日はクラブ紹介デーで、各クラブが大教室にブース作って勧誘に励んでました。交換留学生ももちろん登録できて、いくつ登録したか忘れましたがいろいろ登録しました。
 今日はまた、2年生のオリエンデーでもあったのですが、学事のこの夏休み中に起きた出来事の報告(先生の異動とか)、就職課の説明(ちなみにこの学校はここが充実していて、レジュメの添削、インタビューの練習などが無料で受けられる)、あとは学年委員長の抱負などでした。
 たらたらと長く書いてきたのでこの辺でやめます。

2010/09/13

外国為替と都市伝説


  フランスより HAT です。日本では政治的な理由で、外国為替市場が乱高下しております。以前、為替の仕事をしていた時、「なぜ円高になるのか?」という質問をされた際、「円を買っている人がいるからですよ」と答えていたものである。なぜならば、これ以外の適切な回答が思いつかなかったからである。外国為替については、様々な都市伝説が流れていたが、これらが本当か検証してみましょう。

  その① 「日本は少子高齢化で市場が縮小するから、将来円安になる 」
  もっともらしく聞こえるが、一番怪しい説だ。為替は理屈で動かず、誰かが買えば上がり、売れば下がる世界である。市場が政府による介入を警戒するのは、彼らが無尽蔵に円売りドル買いをできるからである。少子高齢化と円安の相関は立証が相当難しい。日本国内の市場が縮小するため、日本企業が海外進出を一層進める可能性もある。この場合、外で稼いだ外貨を日本に持ってくれば、円高になることも考えられる。従って、少子高齢化が円安に繋がる考えは極めて疑わしい。

  その② 「日本は財政赤字が膨らんでいるため、将来円安になる」
  これもよく言われる考えである。しかしながら、20年前から指摘されていたにも拘らず、長期的にみると円高は進行した。評論家や有識者は富裕層の場合が多く、彼らは外貨投資を資産運用の一環として行っている場合が多い。そうすると、彼らにとっては円安が資産増加に繋がるため、世論を円安誘導に持っていくことがインセンティブになるのである。その場合、日本の財政赤字と結びつけることが最も簡単で説得力があるように聞こえる。これは、ポジション・トークと言われるもので、実際に行われている。

  その③ 「日本は資源がなく、大幅な円安になるとインフレになる。だから外貨を買いましょう」
  これをうたい文句にして外貨を売っている金融機関を見たこともあるが、非常に疑わしい。日本がガソリン等の資源の多くを輸入に頼っていることは事実であろうが、殆どの輸入業者は為替ヘッジをかけており、大幅な為替変動へのリスク管理を行っている。そのため、大幅な円安になっても輸入品が数倍に跳ね上がるケースは想定しにくく、ある程度の価格上昇で落ち着く可能性が高い。言い換えると、個人のために輸入企業が為替ヘッジをしてくれているとも考えられる。そのため、資源がないことと外貨を買うことを結び付けるのは相当無理があると言えよう。
  
  これらの都市伝説は、その殆どが円安になってほしい、なってくれないと困るんです要素が含まれている。なぜならば、資産を預かる金融機関側が円を預けてもらっても金利が取れないため、外貨を買ってもらい、それを預けてもらって金利を取りたいと考えているからである。皆さんも上記のような円安思考の都市伝説に出くわした場合、気をつけましょう。そう、為替は理屈では動かないのです。「必要な時に必要なだけ買う」、外貨の世界でもジャストインタイムの考えは一番無難なようです。

No way, Norway!

どうも、増子です。先に言い訳をすると、平日はちゃんとガリ勉してます。

さて、この週末、学校の友達5人でノルウェーに行ってきました。
金曜の夜にこっちを出て、ノルウェーのベルゲンへ。
翌朝、電車でソグネフィヨルドを目指します。

とぅるっとぅっとぅっとぅる~るる~とぅ~る~♪(BGM:世界の車窓から)
ちなみに、私の記事で使われている写真は、
富士通製の携帯電話、F-09Aで撮影しております。8.1メガピクセル搭載。

で、フィヨルドです。
ここでも雨女として大活躍してしまいまして、こんな風景。
ダイナミックな景観に感動しつつも、
晴れてたらもっとすごいんだろうなーと思うと。。。

水の色はこんな感じ。想像していた通りの藍色!
グラデーションが綺麗でした。

この日は電車計4h、バス1h、フェリー2h(ここでフィヨルド)、と大移動でしたが
車窓が美しいので見飽きることもなく、
道中はトランプしたりもして和気あいあいと過ごしました。
まだ出会ってから3週間ですが、ホント良い奴らです。

翌朝は、ベルゲンの市内をお散歩。

ここはブリッゲンというエリアで、写真の木造建築群は世界遺産です。
ドイツから来たハンザ商人たちが、貿易を許可された地域だそうで。
木造の建物が重なり合うように連なっていて、
シンプルで機能的な感じでした。北欧テイスト満載。
手前のテントは、日曜だったからか開催されていたマーケット
おばあちゃんが嬉しそうに焼いてくれたパンケーキが
泣けるほど美味しかったです。

そんな素敵な旅だったのに何がNo wayかって言うと、物価の高さ。
正直、スウェーデンは言われていたほど物価は高くないです。円高のおかげ?
でも、ノルウェーはちょっと異常と感じるほど。
マクドナルドのチーズバーガー(単品)が約500円、
ハリボー(グミ菓子)が一袋約800円!!
No way....

2010/09/09

バカンスは日本を救う?


  フランスより HAT です。今日は学校のイベントでノルマンディーまで行ってきました。ノルマンディーはカマンベールチーズで有名です。第二次大戦中、ノルマンディー上陸作戦に参戦した米軍の兵士達がカマンベールチーズの美味しさに感銘を受け、その後世界に散らばった彼らがカマンベールチーズを広めたと言われています。前置きはさておき、ノルマンディーでは9月上旬でもバカンスを楽しんでいる人が結構いました。このバカンスが、日本を救うのではないかと最近感じております。
  フランスでは2年以上働くと、5週間の休暇が与えられます。エセックも7月23日からまるまる1ヵ月休みに入り、留学生担当等を除き、ほぼ閉鎖状態にありました。フランスのバカンスは歴史的な意味もあり、1937年に人民解放戦線が有給休暇を法律で義務付けたことが始まりと言われています。このような話を日本人にすると、「休みすぎ」、「そんなことをしてたら経済が成り立たない」等の否定的見解が殆どですが、本当にそうなのでしょうか?私は逆に、日本人が有給休暇を取らないことにより、経済全体に悪影響を及ぼしているという考えを持っています。
  日本では1997年からデフレ・ギャップが問題視されていますが、実は1970年代後半から始まっていたという研究結果があります。有給どころか、土日さえ休まなかった(?)我々の両親の世代の働きぶりにより、日本は経済成長を成し遂げましたが、国内で供給過剰状態を作り出しました。つまり、買いたいと思うもの、量よりも実際に売られている分が多すぎるということです。国内で消化できない供給は、当然外国に活路を求めることになりました。
  1980年代初頭までは購買力平価よりも円安状態にあったため、輸出によってデフレ・ギャップが埋められていましたが、1985年のプラザ合意で苦しくなりました。80年代後半はバブルによって、供給過剰状態は見えにくくなっていました。90年代に入ると、デフレ・ギャップを埋めるために政府が財政出動を行い、97年に財政再建に入るまでデフレという言葉はメディアにも殆ど登場しなかったと言われています。
  円高で大変だと日本は大騒ぎですが、デフレで通貨(円)の価値が上がり、外国が金融緩和を行って外貨(ドル、ユーロ)を刷りまくっている訳ですから、円高圧力は歴史的に高い状態と言えるでしょう。円高を本当に阻止したいのならば、政府の口先介入等ではなく、デフレ(=供給過剰)を止める必要があるわけです。
  そのために、日本全体で有給を消化して、休暇を楽しみ、お金を使う必要があります。海外旅行が好きな人は世界各国で休暇を楽しむことで、円高を緩和することさえできるのです(外貨を買うから)。
  法令順守、コンプライアンスが重視される日本で、なぜ有給休暇が消化されずにいるのか世界中が不思議に思っています。皆さんが経営者になられた際には、社員全員(勿論、皆さんも)に有給消化を義務付けるようにして下さい。日本で10年以上勤めた人は、20日の休暇が与えられることになっていますが、全員がこれを消化すれば新しい産業が生まれ、デフレ・ギャップを緩和することに繋がるはずです。フランス人にできて、日本人にできないとはとても思えないのです。

2010/09/07

集団の利益と個人の利益


  フランスより HAT です。こちらでは明日から大規模なストが予想されており、電車の時刻表が大幅に変わりそうです。写真のようにどこからどこまでは何時まで動くよ、と表示されているのである程度影響は軽減されます。我々のように寮と学校をスクールバスで行き来している分には特に影響ありません。
  フランスではストが頻繁に行われており、日本でいう台風のようなもので年に何回かは来る風物詩となっています。日本でストというと労働者の賃上げや労働環境改善等の目的が伴いますが、こちらではスト自体が目的となっている場合もあり、何のためにやっているのか当事者も分からないことがあるそうです。
  歴史的に自由と権利を重んじるこの国では、ストをする自由と権利が与えられており、それに伴う不便さに対してフランス人は驚くほど寛容です。交通機能が麻痺するという集団の利益よりも、ストという個人の利益が優先されるのは文化の違いもあるのでしょうか。同じクラスのシンガポール人と話していたところ、シンガポールではストは法律で禁じられているそうです。シンガポールでは集団の利益の方が重んじられているということでしょうか。
  フランスに来て最初に感じたのは、犬の排泄物を飼い主が処理せず、多くの場合、道に放置されている点です。犬を散歩する人はフランス中で見かけますが、排泄物を処理するためのビニール袋等を持っている人に会ったことはありません。つまり、それはそのまま道に放置されるのです。これを個人の利益と片付けてよいかどうかは議論が分かれるところでしょう。
  この問題をフランス人に話したところ、興味深い返事が返ってきました。パリでは下水道が整備される以前、排泄物はマンションの窓から投げ捨てられていたらしく、それを避けるためハイヒールがフランスで生まれたとのこと(当時は男性もハイヒールを履いていたらしい)。このような歴史的背景があるため、フランス人は犬の排泄物が道にあっても気にしないのだよ(本当か?)、との説明でした。
  日本では犬の排泄物は飼い主が処理するケースが多く、アメリカでは罰金によって制限する方法が取られていたと記憶しています。集団の利益と個人の利益がぶつかった際、国、地域によって、どちらを優先させるかは異なるようです。皆さんもフランスに来られるときは、ストと犬の排泄物に注意しましょう。


スイス鉄道の旅

こんにちは。パリでフランス語に励んでいる村井です。
先週末に、スイスへユーレイルパスを利用して鉄道旅行に行ってきました。今回は、ベルニナ急行と氷河特急に乗ることが旅の目的です。乗り放題のユーレイルフレキシーパスを駆使し、パリからイタリアのミラノを経由し、一筆書きで語学学校を休まずに週末で行けるルートを作って試してみました。参考までにスケジュールを掲載しますので、興味のある方はお試しください。ユーレイルパスのルールで、パスは2日間のみの利用で大丈夫です。また、各列車への乗り継ぎは、適度な接続時間とホームを移動する程度で済んだのでとても簡単でした。3日目はほぼ半日電車の中ですが、車内で食事をしたり景色を楽しんでいると、時間の長さはあまり感じませんでしたよ。

Day1:
Paris Bercy駅(20:33発)⇒Milano Central駅(翌日05:38着)
※アルテシアナイト(国際寝台列車)でイタリアのミラノへ

Day2:
Milano Central駅(06:20発)⇒Tirano駅(08:50着)
※途中川に沿って走るので景色がきれいです....が、寝てました。
Tirano駅(10:03発)⇒St Moritz駅(12:17着)
※ベルニナ急行に乗車し、この列車の終点であるSt Moritzで1泊

Day3:
St Moritz駅(09:17発)⇒Brig駅(15:23着)
※氷河特急に乗車し、途中のBrig駅で下車する
Brig駅(15:57発)⇒Lausanne駅(17:40着)
※途中、レマン湖の素晴らしい景観が堪能できる
Lausanne駅(18:03発)⇒Paris Lyon駅(21:59着)
※TGV Lyriaを利用

スイス周辺の鉄道は、高速列車用のルートで迂回すると同じ目的地へ先回りすることも可能で、ここならまだ西村京太郎のトラベルミステリーの舞台になるなあと個人的には思ってしまいました。また、3日目の行程として、こんなに列車ばかりに乗りたくないという場合は、パリの滞在先に着く時間はあまり変わりませんが、格安航空会社(easy jet)でジュネーブから飛行機でパリに帰るルートもあります。Brig(15:57)発の列車の終点がジュネーブ空港駅なっていて、その後パリ行のフライトにうまく接続しています。
(注1)
氷河特急の一部区間(Disentis⇔Zermatt)はユーレイルパスが利用できないため、DisentisからBrigまでは区間乗車券を購入する必要があります。但し、スイスパスはその区間も利用可。今回は、Disentis⇒Brig間のみの乗車券購入が不可だったため、Disentis⇒Zermattの全区間を購入したうえで途中下車しました。
(注2)
アルテシアナイト、ベルニナ急行、氷河特急の座席(寝台)は全て予約してから行くことを強くお勧めします。これらの列車の座席はほぼ埋まっていました。予定通りの列車に乗れないと、思いがけずもう1泊することになるばかりか、最初の寝台列車でつまずくと旅行を取りやめといったことにもなりかねません。その点はご注意を・・・。



2010/09/06

フランス語

ESSECダブルディグリーY.S.(男)です。

今回は、フランス語の勉強方法について報告します。

ESSECでは9月に国外からの留学生(交換留学生、ダブルディグリー含む、正規生)のためのフランス語インテンシブコースが行われています。
初回に口頭と筆記の試験が行われ、6段階のレベルに振り分けられました。

僕は、中級の下(レベル4)に振り分けられましたが、教授の話すフランス語が分からず初級の上(レベル3)に逃げました。
日本人の感覚だと、まず文法をある程度覚えてからライティング、リスニング、スピーキングに進むのが自然な気がしますが、世界標準は全てを並行して進めるようです。
よって、文法はほとんどわかってないけど、話せるし聞ける人が多数存在します。

文法を先にやりたがる日本人の悲しさから、僕はこの夏仏検3級の勉強をしていました。
そのお陰で、文法(筆記)だけが異様に伸びて中級に入れられることになりました。
でも、リスニング力が伴わずJ2に降格しました。

というわけでまとめに入りますと、
ESSECで行われるフランス語の授業の文法は、仏検3級でほぼカバーできます。
ただし文法ができる=リスニング、スピーキングもできるものと判断されます。
そのことを意識してバランスよく勉強をすることをお勧めします。
そうしないと、僕のように授業で扱う文法は簡単だけど、文法を説明する初歩的なフランス語が聞き取れないというアンバランスな状態になります。

【お勧め教材:文法(涙)】
30日で学べるフランス語文法 中野茂 ナツメ社 (仏検4級レベルを網羅)
完全予想仏検3級 筆記編、リスニング編 富田正二 駿河台出版社

フランス語ができると滞在がさらに意義あるものになると思います。
仏検3級レベルの文法を理解していて、かつ仏検3級のリスニング問題の解答部分以外も理解できる、 と「フランス語ができる人。」としてちやほやしてもらえると思います。

それでは、フランス志願者のみなさんお互い頑張りましょう。

2010/09/05

時差と気温差、パンとプール


フランスより HAT です。9月1日に日本から帰ってきました。

何といってもフランスは寒い!35度の日本から20度のフランスに来て、体調維持が大変です。
欧州にいるサッカー日本代表の選手が日本に帰って、動きが悪くなるのがよく分かります。
9月2日からフランス語の授業に出たのですが、単語が口から出てこない!
→ 勉強不足
まあ、そんなこんなで少しずつ時差調整も終わりつつあります。

フランスで改めて思うのは、パンが美味しい!
他に食べるものが少ないこともあり、ほぼ毎日食べています。
写真のように結構大きいのですが、味がよいこともあり一人でも食べられます。
週末はパンをかじりながら散歩をして、プールで泳ぐことにしています。
フランスのプールはとても自由で、何をしても怒られません。
帽子をかぶらなくてもいいし、飛び込みも可。
人が泳いでいる下を潜水する奴がいたり(フランスのプールはとても深い)、コースを横切っている子供すらいるではないですか!
自由すぎるせいか、時々ぶつかって怪我をしたり、口論したりする人達もいます。
その場合でも、監視員はそしらぬ顔。一度、コースを横切っている子供を指さして、監視員に注意したらどうだと言ったことがあります。
それに対して、「自分達の責任でやっているからしょうがないだろ」との返事。
「じゃあ、あんたは何でここにいるのだ」と指摘すると、「法律でそうなっているから」との返事。
思わず、「なるほど(C'est cela)」と応えてしまったのが不思議でした。
8月に帰省した時、甥っ子、姪っ子を連れて行った日本のプール。
やれ子供から5メートル以上離れるな、やれプールサイドにペットボトルを持ち込むな(ロッカーで飲めということ)、等の様々な抑圧が。
一体、どちらがいいのかなぁと、10時くらいまで明るいフランスの街を歩きながら思うのでした。

2010/09/04

Crayfish Party♪

Crayfish、つまりザリガニはスウェーデンの夏の風物詩。
スウェーデン語ではKräftor(クレフトル)と言います。
8月初旬に禁漁が解かれるそうで、
夏大好き、冬大っきらいなスウェーデン人たちは、
長い夏の夜をKräftorとお酒と歌で過ごすのが大好きらしい。
この日は大学所有のコテージをかりて、総勢30人くらいでパーティー♪

デコレーションもザリガニ。ナプキンもザリガニ柄。
そして、紙の帽子をかぶるのも決まりらしいです。

まぁ、見た目はエビみたいなものなので、
さして抵抗も無く頂いてみると、意外と美味しい!!
ディルという香草と一緒に茹でるのだそうですが、
身の甘みとばっちり合ってました。すごーい。
ただ、その香草の香りが前面に出ているので、
多分もとは結構泥臭いんじゃないでしょうか。
エビとの違いは殻の硬さ。カニ位堅い。そして身が小さい。
だったらエビかカニを食べるなぁ、と思ってしまった日本人でした。

馴染みのない留学生向けに食べ方の説明があったのですが、
「とにかくサックしろ」とのこと。えぇー。
その結果、じゅるじゅるじゅるじゅる・・・とそこかしこから音が。
蕎麦のほかにも、音を立てて良い食べ物があったんだなぁ。

ザリガニにはSchnappsというお酒が付きものらしく
テキーラみたいな小さなグラスで回ってきました。
私は口に含む程度頂きましたが、かなりアルコールが強かった。
そして、お酒を飲む前に歌を歌いました。
スウェーデン語なので内容は不明ですが、
ザリガニパーティーでは必ず歌う歌がいくつかあるそうです。

酒と歌が入れば後は踊るしかないよねー、ってことで
その後はクラブ状態に。
夜が更けるまでダンシングナイトが繰り広げられたのでした。
(申し訳ないですが、その様子は写真がありません。。。あしからず。)