皆さんお久しぶりです。Kellogg School of Business(Northwestern University)に派遣中のマリです。
言いだしっぺ+ブログ管理人にも関わらず、今頃初投稿ですみません。汗
書こう書こうと思いつつ、このページにアクセスすると皆さんの記事が面白すぎて読みふけってるうちに時間がなくなって…というのは言い訳です。ごめんなさい。でも、お陰様で相変わらず毎日バタバタですが、充実してますよってことで暖かい目でご容赦頂けましたら幸いです。
さてさて、書きたいことはたくさんあります。ざっくり概観でいうと、私のエバンストンライフは、授業5割、クラブアクティビティ2割、ソーシャル2割、就活体験1割といった感じです。
Marketing Schoolだけではなく、Party SchoolやSocial Schoolの異名を持つKelloggですが、ちゃんと勉強もしてます。(アピール!)
入学して最初の頃の何かの学校行事で掲げられていたスローガンは、”Study hard, Play harder!”。「よく学び、よく遊べ」の言葉の通りですが、遊びの方が「もっと(比較級)」なところがKelloggです。(あ、結局これでは「勉強もしてます」アピールが、「より遊んでます」アピールになってしまう。笑)
ということで、初投稿は授業の話題から。
私は後述の4科目を履修しています。チームカルチャーを重要視していて、グループワークの多さで有名なKelloggですが、私の履修科目も全てグループワークがあります。日本人が留学すると何かしら数字系の科目を履修してバランスをとるのが常らしいですが、数字嫌いの私は文系科目ばかりなので、単語が専門的&微妙なニュアンスが必要だったりで、マーケ以外は思うようにグループがリードできず、言いたいことがサクサク伝えられないフラストレーションもあります。
しかし、1学年700~800人いるだけあって教授の数も科目数も多いので、KBSと比較して、一つ一つの専門科目がより具体的なトピックにフォーカスしており、深堀りして学ぶことができるためインプットは非常に充実しています。
KBSのIPで派遣される秋学期だけでも4人の教授が同じ名前の科目を担当しており、担当教授によって少しずつ進め方が異なるようです。フルタイム生にはCalkinsという教授が一番人気のようですが、エクスチェンジはBiddingシステムの枠外で科目選択するため、ほとんどがCarpenter教授の授業を履修しています。比較してないので分かりませんが、Carpenter教授のクラスも活発で説明も分かりやすく、満足しています。
いずれの教授の場合も、MarkStratというビジネスゲーム合宿をみたいなシュミレーションゲームを、一学期間に渡ってグループワークで行うのは共通のようです。(グルワは授業外に実施、授業中は学期初めと学期末にそれぞれイントロダクションと最終プレゼン+講評があるのみ)このゲーム、非常によく出来ていて、毎週思考錯誤して考えたマーケ戦略の結果が出るのが超面白くて夢中になります!
またこれは教授によって異なりますが、我々のクラスはもう一つ、リアルケースプロジェクトがあります。こちらも10月中旬くらいの授業にイントロがあり、今学期はeBayのマネージャーがプレゼンしに来ました。提示された課題に基づき、学期末までに分析、戦略立案をして、クライアントとクラスに対してプレゼンする予定です。
つまり、授業と別に毎週1~2時間のグルワが×2つあるという状況で拘束時間はわりと長めですが、両方同じグループメンバー(6名)なのでかなり仲良くなります。
授業そのものはレクチャー中心ですが、Kelloggではレクチャーとはいえ、授業構成やスライド・教材が充実しており、非常にインタラクティブに進むと同時に、毎回しっかり気づきやTake awayがあります。この背景として、Kelloggでは研究業績と同程度に生徒からの授業フィードバックがファカルティの査定に響くからだ、という話をよく聞きます。海外はみんなそうなのかと思ってましたが、実際には海外MBAの中でも、研究業績の方に重きをおいてティーチングスキルはさほど評価対象とならない学校も多々あるそうです。評価を気にしているからかどうかはともかく、Kelloggの教授たちは皆、とても教育熱心で、授業にも様々な工夫が施されています。ちなみにケースをやる回は学期内に2回ありましたが、他の授業も同様に、こちらでは1つのケースだけでまるまる1回の授業が終わるということはなく、レクチャーの合間の議論の素材として30~40分織り込まれる感じです。ファクト出しなどはほとんどなく、いきなり本質の議論に入ります。
Effectiveなチームをいかにして作り、リードするかというテーマの組織(MORS)系のクラスです。社会心理学博士のApfelbaum教授は、MORSファカルティの若手ホープといった研究者で、授業に対してもめちゃめちゃ熱心で、毎回の授業が緻密に作り込まれています。
授業内では、毎回その場で言い渡されるチームに分かれてゲームみたいなエクササイズをやります。エクササイズの内容は殺人事件の犯人探しだったり、無人島でのサバイバルだったり、scramble(言葉遊び)だったり様々ですが、普通に楽しいです。そして楽しいだけでなく、いかに結果を出すかという視点において、体感的にチームマネジメントの難しさやグループワークにまつわる現象を学びます。エクササイズの後で皆が自分たちのグループでの体験をシェアし、レクチャーによる理論解説がなされます。実際に体験をしてから理論でフォローする形なので納得感があり、みんな理論を聞きながら「うんうん」と頷きまくってます。笑
授業外では一学期間一貫したメンバーで、学外における何らかのチーム組織に対する問題解決のコンサルティングを行うグループワークがあります。このグルワは、最初にチームコントラクトや役割分担を決め、コンサル対象のクライアントを決め、コンサルティングを進めていくように順を追ってデザインされており、学期末にプレゼンとレポート提出があります。私のグループは、近隣小学校のある学年の先生たちのチームをクライアントに選びました。私は一応、プロジェクトコーディネーターになったので、全体のPM的な役割をしています。具体的なクライアントインタビューやコンサルはこれからですが、どんな課題があり、どんな解決策を提案できるのか、楽しみです。
その他の評価指標としては、中間テスト(4択20問くらいと、ミニエッセイ6つ)と、毎回授業後に貢献度、リーダーシップなどに関するグループ評価があります。(もちろん上記のコンサルプロジェクトでもpeer assessmentがあります)
Social Enterprise at Kellogg (SEEK)系のクラスです。SEEKプログラムは、私がKelloggを志望した大きな理由でもあります。このクラスのテーマはNPOのマネジメントですが、思っていた以上に実務者向けの実践的ノウハウや経営知識の伝授といった感じで、他の授業と比較してこのクラスが一番教授が喋っている時間が長いように思います。ケースメソッドでコンセプチュアルな議論をするというよりも、ミッション定義や会計制度、ファンドレイジング戦略、アライアンス、M&Aなど明日から実務の参考になりそうな内容で、実際NPOのボードやスタッフとして働いているパートタイムの履修者が多いナイトクラス(18:30-21:30)です。正直、私にとっては実務的過ぎるような気もしてますが、ここまで詳細にNPOマネジメントを掘り下げられるのは、アメリカのビジネススクールの中でもKellogg、Harvard、Stanfordくらいだと思います。
学期を通じて一貫して問われるのは「いかにスケール(拡大)するか?」です。個人的には必ずしもNPOに拡大が必要だとは思わないのですが、NPOのスケーリングは、現在のアメリカでのNPO関連議論のメイントピックのようです。担当のHaider教授は、元々Chicagoの自治体やホワイトハウスでバジェットアロケーションをやっていて、議会やホワイトハウスのフェローになっているすごい人らしいのですが、とってもフレンドリーでお茶目なおじいちゃんです。
グループワークは、任意のNPOがどのような成長ステージにあるのかを分析し、課題と解決策を提案するというグループレポートです。私たち3名のグループは、私が後日紹介するクラブ活動でコンサルティングを行っているシカゴ郊外のNPOミュージアムを対象に選びました。今週末に館長にインタビューする予定です。その他、個人レポートが隔週で4回あります。
ちなみにたまたまですが、私はマーケ以外はすべてナイトクラスです。人気科目で満員である上記のMORSクラスは別として、基本的にナイトクラスは履修者が10~15名前後とこじんまりしているので、議論が濃く、発言機会も多く得られます。パートタイム履修者と知り合えるのもナイトクラスの特徴と言えます。ただパートタイム履修者とグループを組むことにはメリットデメリットがあり、グルワが基本平日夜か土日のテレカンになるので時間調整や密な議論が難しい一方、お互い忙しい中メリハリつけて効率的に進められるという利点があります。
これもSEEK系クラスですが、これはなんとも説明しがたい。心理学と企業倫理と哲学を組み合わせたような内容で、企業リーダーがいかにして意思決定をし、その決定を効果的に伝達して、人々に影響を与え動かしていくか、というような授業で、かなり面白いです。何がethicalでunethicalかということではなく、組織内の人々はみんな自分なりの根拠や正当性に基づいて行動しているという前提で、リーダーが自らのvalue propositionのaccountabilityを全うしながら、社員のvalue propositionに影響を与えていく上で重要なtipsを、多様なテーマの議論を通して学んでいきます。微妙なニュアンスが重要な議論なので、ちゃんと思った通りのことがうまく伝わったのかどうかストレスもありますが、私は前職で広報を専門にしていたため経験的に納得感のある内容で、大変興味深いです。
Feddersen教授は経済学のバックグラウンドで、選挙における投票行動のメカニズムなどの研究をしているらしいです。話し方がとてもソフトで気配りの細やかな先生です。(でもわりと策士な気もする)ちなみに、マキャベリ好きです。
このクラスのグルワは比較的軽く、ケースを題材とした単発のプレゼンが学期内に2回あるだけです。その他は、個人レポートが隔週で4回あります。
受けてみないとなんともイメージが沸かない授業だと思いますが、履修者の満足度は非常に高く、こういう授業が日本のビジネススクールたちでも増えるといいなーと思います。
ということで長くなりましたが、少しでも授業のイメージが伝わるといいなと思います。
ていうか、こんなに長いの書こうとするから、なかなか筆が進まないんですよね。苦笑
伝えたいことがありすぎて…なーんて。次回から、もうちょっと軽めの情報でサクサクアップしていこうと思います。
写真は、冒頭:Kelloggerの憩いの場 Atrium、文末:Evanstonの街中にあるパープル=Northwesternカラーの噴水(渡米直後に撮影、現在凍てつく寒さのため停止中)。
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