2010/11/26

水の出ないトイレ


  フランスより HAT です。今日は面談のため、某社パリオフィスへ赴きました。とても綺麗なオフィスでトイレも素敵なのですが、一つ問題がありました。蛇口から水が出ないのです。

  ただ、そこは儲かっているのでしょう。写真の様にボルビックのペットボトルが置いてあり、「これで手を洗って下さい」と言わんばかり。普段は浄水器を通した水道水を飲んでいる自分が、ミネラルウォーターで手を洗う姿に資本主義の矛盾を感じたのであります(まあ、儲かっていれば企業も個人もお金を使うべきなので良いと思うが)。

  以前、ある研修でグループワークの効率性を学んだことがあります。二つのグループに分かれて、最初に自己紹介をしたグループと自己紹介をしなかったグループの成果を比較するものでした。ご想像の通り、自己紹介をしたグループの方が結果は良く、お互いのことを良く知った上で作業を行うことの重要性を確認したのでした。

  なぜこんなことを書いたかというと、今日の面接官が名前を名乗らなかったからです。こちらが自己紹介で、「HAT と申します。今日はどうぞ宜しくお願いします」と挨拶をすると、「ああ、そう」という感じで、結果として相手の名前を知らないまま面談をすることになったのです。

  面接のお題は、「日本でトップの貴金属メーカーが欧州で展開をするにはどうすべきか」でした。議論というよりは、「じゃあ、適当に考えてよ」という感じでこちらが話す一方。議論(らしきもの?)が終わり、質問コーナーで質問をすると、「どういう意図でその質問してるの?」と聞き返される始末。

  終始、ギスギスした感じで面接終了。昨日のフランス語のプレゼン中も「早く家に帰りたい」と思ったが、今日の面談でも同じことを考えるはめになるとは。

  鎌倉時代にフビライ・ハーンの軍がやってきた時、日本の武士達は戦う前に相手に対して、「我は○○、どこどこの者である」的な自己紹介をしたそうである。ただ、自己紹介中に相手は毒矢を打ってきて(そもそも言葉が通じないので、自己紹介しても意味がない)、武士達は「無礼者・・・」と言ったかどうかは知らないが、やられたようである。700年近く昔の武士の気持ちが理解できたような一日でした。「ぶ、無礼者・・・、面談の前に名を名乗れ、名を」。

  ただ、元寇との違いは神風が吹かなかったことだな・・・。

  

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