2010/10/16

☀ サマータイムの終わりに ☀


  フランスより HAT です。こちらでは、今月の終わりにサマータイムが終了します。サマータイムのおかげで、8月中は夜10時頃まで明るい状態が続いていました。
  
  日本でも1948年から4年間、サマータイムが導入されていましたが、余り馴染まなかったようで、米軍の撤退と同時に廃止されてしまいました。私はサマータイム賛成派だったのですが、今年8月に東京で1ヵ月間過ごし、なぜ日本でサマータイムが定着しなかったが理解できたような気がします。日本でサマータイムが普及しない理由は、以下の二つだと思います。
  
 ①暑すぎる
  とにかく、日本は暑すぎます。8月中の日が出ている時間帯は、外に出る気がなくなり、「とにかく早く日が沈んでくれ」と思っていた記憶があります。
  
 ②日に当たることが良いことと思われていない
  日本は美白文化で、日傘が普及していることもあり、女性は特に日に当たろうとしません。以前、取引のあった芸能プロダクションの社長によると、「ある女優は、夏の昼間は仕事以外で外出することはない」らしいです。それぐらい、紫外線の悪影響を恐れているとも言えるでしょう。
  
  フランスは逆で、老若男女問わず何とか日に当たろうとしています。エセックの中庭は吹き抜けになっているのですが、晴れの日の休み時間には、多くのフランス人学生が日光浴を楽しんでいます。フランス人の日焼けに対するこだわりは尋常ではなく、適度な日焼けを通り越して、昔でいうガングロ、ヤマンバ並みに焼けることを目指している人もいるほどです。
  
  フランス人に聞くと、「日焼けしていない人はバカンスに行けない人と思われる」と言います。つまり、「日焼け→バカンスに行ける→余裕がある→人生を楽しんでいる」ことの証明だという訳です。それに加え、日に当たらないとビタミンDが体内で作られず、骨が折れやすくなる「骨粗しょう症」になりやすいと思っている人もいるようです。
  
  昔からフランスで日焼けが良いと思われていたかというとそうではなく、ルイ14世(写真参照:男性)が生存していた17世紀には、美白が好まれていたというから中々興味深いです。ルイ14世の写真を見ると、顔が白く、白いストッキングをはいています。当時は、「日焼け = 肉体労働」と定義づけられており、貴族層は美白にこだわり、男性でもファンデーションをしていたそうです。ルイ14世が白いストッキングをはいているのも、自分の白さを際立たせるためだと、以前登場したブランド・マーケティングの教授は言います。
  
  パリ市内を歩いていると感じるのですが、フランスの高校生は色白である場合が多く、大学生になると一気に日焼けする傾向にあるようです。また、これは個人的見解ですが、フランス人女性は10代後半に美しさのピークを迎えているような気がします。
  
  以前は東京の女性が世界で一番美しいと思っていたのですが、こちらに来てパリの10代後半の女性が一番美しいと思うようになりました(ロリコンなのかな、俺・・・)。フランス人女性が20才を過ぎると、酒、たばこ、夜更かし、紫外線、そして恋愛関係のもつれ(?)によって肌が荒れていっているような気がします(こちらの若年層喫煙率はすさまじく、目測ベースでも80%はたばこを吸っているような気が)。
  
  フランスでは、挨拶で頬と頬を良く合わせるます。一見綺麗な肌をしている女性とこの挨拶をして、実際に頬が当たると意外と肌が荒れていると感じることがよくあります(かわいいと思ったパンダに近づくと、意外と目が鋭かったのに似ている)。
  
  「ルイ14世が生きていた時代に行って、美白文化全盛のフランス人女性に会ってみたいものだ。」サマータイムが終わりに近づき、夜8時前に暗くなり始めたフランスの空を眺めながら、そう思うのでした。  
  

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