2010/10/12

頑張らずに結果を出せるか?


  フランスより HAT です。図書館で調べ物をしていたら、フランス文化について面白い記事を発見しました。内容は、アメリカ人、日本人、フランス人の働き方と価値観を比較検証したものです。その記事によると、アメリカ人は結果を重視するが、日本人は頑張ることを重視する傾向にあるそうです。この分析は中々的を得ていて、過去の経験から考えても当っている点が多いです。

  10年近くアメリカの企業で働いていたせいか、私は完全に結果主義者になってしまいました。ハワイに住んでいた時、ホームステイをしていたのですが、そこに小学生の子供がいて、テストの成績が悪いと彼は両親からこう言われていました。「次は良い点をとりなさいよ」。彼の両親が気にしているのは結果だけでした。

  学部生時代、神戸の進学塾でアルバイトをしていたのですが、そこの塾長はテストの成績が悪かった子供に対して、いつもこう言っていました。「もっと頑張らなきゃだめじゃないか」。塾長は頑張ることを求めていたのでした。
  
  アメリカと日本のどちらが良いのかは分かりません。それぞれ一長一短だと思います。
  
  アメリカで働いていた時、ある人物のミスにより、システムが一時停止したことがありました。問題を起こした張本人が会議で、「今後問題が起らないようにするためにはこうすべきだ」と悪びれる素振りもなく、プレゼンをする姿に私は違和感を覚えたものでした。
  
  日本で働いていた時も似たようなことはあったのですが、その場合、「どうしてこの問題が起ったのか」という問いがあって、その後で「今後同じ問題を起こさないためにはこうしよう」という話の持って行き方だったと思います。
  
  話が少しそれましたが、フランス人はどのような価値観で働いたり、勉強するのでしょうか。記事によると、フランス人は頑張らずに結果を出そうとする(!)のだそうです。子供を持つ親たちも、一生懸命勉強して良い成績を収めるよりも、余り努力せず結果を出す方を好むそうです(あくまでこの記事の話)。
  
  フランスでは勉強せずに良い成績を収めると、「うちの子は勉強しなくても、成績が良い!」と親は大変喜ぶそうです。こちらでは勉強するのがかっこ悪い的な空気が時々流れるのですが、それが文化のためだったとは!まあ、フランス人でもちゃんと勉強する人は当然ながらいるので、一般化はできませんが、興味深い記事でした。
  
  皆さんもフランスに来られた時、非効率な仕組みに驚かれたり、疲れたりすることがあるかと思います。その時は、こう考えましょう。「この国は頑張らずに結果を出そうとする国なのだ」、と。
  
  仏大統領のサルコジは、「頑張って結果を出そう」という方向にフランスを変えようとしている、とその記事は書いていました。今日、寮の管理人に掃除機を借りたら壊れていたので、換えてもらおうと思ったら18時まで開いているはずの管理人室が17時半には閉まってました。サルコジには是非頑張ってもらって、「頑張って結果を出そう」とする社会に変えてもらいたいと思った夕暮れでした。
  
  でも良く考えたら、18時まで開いているはずの管理人室を17時半に閉めてるのは、頑張る以前の問題だよな。まぁ、いいか。ここフランスだし・・・

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